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協力してやるよ。 ページ1

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どうして、こうもコイツとは一番会いたくないタイミングで出くわせてしまうんだろう。


あろうことか、この男の連れの中に千尋がいたなんて。

もう、諦めにも似た感情が湧いてくる。


まだ顎を固定している千尋の手が、俯くのを許さないから私は動かせる視線だけを足元に落とした。


それとほぼ同時に、千尋が口を開いた。



「……悪い、この女借りる。」


「…っは?マジで?」



そう言って、財布からお金を取り出した千尋はその男にそれを手渡す。



「これでこの女の分と俺のも払っといて。
足りなかったらまた後日渡すから。」


「え、ちょ、おいっ!」



早口でそう言うや否や、私と男をべりっと引き剥がした千尋はそのまま私の腕を掴んでスタスタと歩いていく。



突然のことに呆気にとられていたのも束の間。



さっきより少しは酔いが醒めたものの、グラつく体とフラつく足元。
そんな私にお構いなしに掴んだ腕をそのまま引っ張って歩いていく千尋。



「ちょっ、転ぶって…っ、千尋、」



その後ろ姿に必死にそう訴えかけるも、なんの反応も返ってこない。


なんとか覚束ない足で、必死に後ろをついていく私を千尋がようやく振り返ったのは、店から出て人気のない路地に入ったところでだった。



「…お前、あんなとこで何してんだよ。」


「……、」


「今日、赤 司といるんじゃなかったのか?」



腕を掴んだまま、無表情でそう言ってくる千尋から逃げるように俯いていたけど、その言葉に反応してバッと顔を上げる。



なんで知ってんの…?


そう思った私の心中を察したかのように、千尋の唇がゆっくりと動く。



「赤 司が言ってたから。」


「……」


「お前の誕生日祝うって、嬉しそうに。」


「…っ、」



” 嬉しそうに ” 。

その言葉に、胸が痛いほど締め付けられる。

ぎゅっと唇を噛み締めた私を見下ろしながら千尋は言葉を続ける。



「何があったのか知らないが、ヤケになって男に走って何になるんだ?」


「…別にそんなのどうってことない。」


「…は?」


「私、征十郎と出会う前は家に泊めてくれる男探して、そのお返しとして体差し出してたんだよ?」


「……」


「だから、あんなの別に平気。」



ふっと、自嘲的な笑みを零す私に千尋ははぁっとため息をついた。





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《 2 》→



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美樹菜(プロフ) - 赤司くんと黛先輩が好きなので、こういう小説見れて嬉しいです。これからも頑張ってください。 (2019年1月2日 23時) (レス) id: a4e34be67d (このIDを非表示/違反報告)
黒路 - 結局最後まで自分に甘いだけですね夢主ちゃん。現実にいたら恋愛でも結婚でも長続きしませんね。 (2018年9月18日 7時) (レス) id: fa1a11a816 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - かふぇらぺさん» ありがとうございます!夏休み終わってしまいました...全然更新出来ず申し訳ないです...。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - ぴこさん» いつも感想ありがとうございます!!長い間更新出来ずにすみませんでした。 (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)
羅夢(プロフ) - 黒路さん» 黒路さん、初めまして!読んでもらえて嬉しいです。そうはっきり言ってもらえるのとってもタメになります!あがとうございます!! (2018年8月22日 18時) (レス) id: 56b708a054 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:羅夢 | 作成日時:2017年11月5日 14時

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