【小説】能力者の通う学園【募集企画】

第17話「枯れ果てたイメージ」桐島蓮 ページ17

氷我side

ガラッと扉を開けると、騒がしく個性的な生徒だらけだった。正直この時点で帰りたくなっている。人間関係もある程度までと決めているし、楽しそうに話している人を見ると哀れに思えてしまうのだ。

教室は五月蝿くて、どうしても場違い感が生まれてしまう。それに耐えられなくなったのか席から立ち上がり教室から出ようとすると、まだ名前が分からない人から「どこか行くの？もうすぐ始まるよ」と声をかけられた。

「時間までに戻る」と、それだけを残して教室から出る。教室から差ほど離れたいない廊下で始まるまで待っていることにしたのだ。教室の方を見ては騒がしいと感じる。しかし、本当は中に入るべきだと言うことも反面に分かっている。

偽りきった自分と型に填まっている考えは、きっと治らないだろう。正直何が正しいとか間違っているというのも分からなくなっている。罪が溶けて浸透するとここまでになるものなのか。

廊下にいると、騒がしい声が聞こえるが孤独というものがある。モノクロの世界に映し出された情景が自分の世界。

しかし、それは『この孤独感が一番居心地がいい』と自身を偽り続けるしか出来ない弱さでもある。感情とかそういうものは外に決して出さない。

チャイムが教室に戻れと言わんばかりに鳴り響く。内心ため息を付きながらも教室に戻ったら。教室に入って席に着くとまた名前の知らない人に話しかけられた。

いつも通り偽って、懐に入られないようにすればいいんだ。

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