第九十三話 診察 ページ19
「まァどの道、監督不行届きで俺らは責任取らないとだしな」
後者を選べば、四人に対する処罰は無いものの、指名したプロヒーロー達は責任を負わなければならない。どっちがいい。そう言われた瞬間、A達はその責任を重く感じて頭を下げた。
「…よろしく、お願いします」
「大人のズルで君達が受けていたであろう称賛の声はなくなってしまうが…。せめて、共に平和を守る人間として…ありがとう！」
そんな四人の姿を見て、署長も―――謝罪と感謝の念を籠めて深く頭を下げたのだった。
「あっ、電話だ…。ごめん、ちょっと出てくるね」
「はい」
それからしばらくして、緑谷が診察に来た医者と入れ替わるように病室を出て行く。
「それじゃあ、まず不和君から診るね」
医者はそう言って、慣れた様子でベッドサイドに近付きAを視診した。
「…うん。体温、脈拍、血流は正常だ。腕の方も傷が浅い。お腹の傷も開いた様子はないし、三週間は安静にしなさい」
驚きの速さだ、とAは思った。恐らく、そう言った類の個性を持っているのだろうが、一目見ただけでこれだけ正確に分かるものなのか。続いて、医者は立ち上がると飯田のベッドに近づいた。
「…これは」
間を開けて、深刻そうに顔を歪めた医者が口を開く。
「左腕の腕神経叢がボロボロだ。君には酷かもしれないが、このままだと手指の動きと痺れで腕は動かしずらくなる」
「…そんな」
思わず言葉が零れたAを見て、だが、と言って医者は続ける。
「処置のしようが無いわけではない。神経を手術で移植すれば治る可能性はあるんだ」
「そう、ですか」
「その時は、私も全力を尽くすと約束しよう」
最後に医者は轟を診て、病室を静かに退出して行った。重々しい空気が病室内に流れる。何かを言いたいのに。何も言葉が出てこない。気の利いた言葉さえ一つ言えない自分に、Aは黙り込む。
そんな時、病室のドアが開いた。
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はと - おかえりなさいませ〜！馬さんの作品めっちゃ好きなので、ずっと待ってました！改めて、お帰りなさい！ (2022年8月28日 14時) (
レス) @page40 id: d15a86ccaf (このIDを非表示/違反報告)
旅人 - 更新されてる！ おかえりなさい！ (2022年8月28日 8時) (レス) id: c3b9825a0f (このIDを非表示/違反報告)
お餅(プロフ) - 更新再開ですか！？待ってましたー！！ (2022年8月26日 22時) (レス) @page37 id: 28886abf9c (このIDを非表示/違反報告)
らん - めっちゃ面白いです〜！合宿らへんから、書くの大変になってくると思いますが、めちゃくちゃ楽しみにしているので、是非更新して欲しいです！応援しています！！ (2022年8月13日 20時) (レス) @page36 id: 3bb41adb05 (このIDを非表示/違反報告)
千椛(プロフ) - 更新楽しみにまってます！！とても面白いです！ (2022年3月5日 9時) (レス) @page33 id: 5a2d0a48cd (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空天 馬
| 作成日時：2018年6月19日 4時
