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第三十四話 仕返しの時間 ページ4





 喫茶店にて標的(ターゲット)二人が席に座るのを確認。
 作戦、遂行開始―――と、通話越しに合図を送る。



「あんのー……そこ通ってもいいですかいのう」

「はぁ?」


 大声で駄弁る二人に、年老いた老夫婦が近付いて行く。奥の席に座りたいから、足を伸ばした瀬尾に引っこめろと。瀬尾は厭味ったらしく文句を言いながら足をどかす。

 障害物が消えた老夫婦は、会釈して奥の席に座る。



「すげーな。あれ、渚と茅野かよ」


 さて、常識の欠片も無い標的は、老夫婦の違和感に気付かなかった。老けた顔に対して、皺一つない手足。まあ、それだけ菅谷が手を掛けた変装マスクの完成度が高かったのだが。

 矢田と倉橋が家主を押さえている間に、次の行動に移る。



「奥田さん、頼んでおいた例の弾は?」

「は、はい。急いで調合してきました。BB弾の形にそろえるのに苦労したけど」


 上々だ。奥田が調合した弾薬を、千葉と速水が銃に装填する。準備は完了した。フードを被った岡野、磯貝、前原が作戦遂行場所へ移動する。

 見下していた者による下剋上。いつでも立場は変わるものだ。






――――



「あなた、この近所にトイレはあるかしら。100m先のコンビニにはあったけど」


 杉野が、潮田と茅野に決行の合図を送る。ばれないように潮田へアイコンタクトを取った茅野は、理由を作って静かに席を立つ。



「おいおい。ここで借りれば良いじゃろが。席は外でもこの店の客なんじゃから」

「そうでした。それでは借りてきますよっと」


 見事な老人の演技だ。老婆に扮した茅野が店の中に入ると、声を潜めて誹謗を吐く二人。



「お、しまっ……」


 流れるように、サラダが入った皿をテーブルから潮田が落とす。銀製でできた食器が落下した音は悪くも目立ち、驚いた標的は振り返る。

 そして、隙を見せた瞬間―――千葉と速水が狙撃。
 狙い通り、弾薬は標的の頼んだ飲み物に命中し、気付かない標的はそれに口を付けた。



「……ぐっ、急に腹がッ!お前ここの珈琲大丈夫か?」

「ば、バカなこと言わないでよ!私の行きつけに!」


 急に腹痛を訴える二人。無理もない。先程の弾薬には、奥田が調合したマグネシウムを主成分として調合した恐ろしいブツが含まれている。

 市販薬の数倍の刺激が、今頃二人の大腸を襲っていることだろう。






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柑橘類(´;ω;`) - まさかのポ○モンww (2022年3月8日 1時) (レス) @page16 id: b9050f97b8 (このIDを非表示/違反報告)
夢莉(プロフ) - 最高です!とても面白いです!更新頑張って下さい (2019年10月20日 21時) (レス) id: 86330688ee (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 面白すぎます。描写とかたくさん書かれていて読むのが楽しいです、頑張ってください (2019年9月4日 23時) (レス) id: 94e906f1db (このIDを非表示/違反報告)
空天 馬(プロフ) - カイさん» ありがとうございます〜 今のところは誰、とは考えてないですw (2019年8月21日 22時) (レス) id: e9bd85a3ea (このIDを非表示/違反報告)
カイ - ヒロインとかはいたりしますか? 面白いです! (2019年8月21日 14時) (レス) id: 0a1f4d95ff (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:空天 馬 | 作成日時:2019年8月17日 4時

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