ギャップは誰にでもある ページ9
その日の夜。私は寝惚け眼で、味噌汁を口に運んでいた。先程まで寝ていました。
何故かというと、今日は夜番だからです。
寝起きだからかな。なんかちょっと……
「おかん…あかん、食欲な……んでもないです」
やっぱりいいや、残したら悪いし。
それに鮭を笑う者は鮭に泣くって言うし………
やっと食べ終えた頃、向かいに座ったのは10番隊隊長の原田さん。よく、美容の話をする………んだけど今日だけは話しかけられないといいな。
正直、もう少しだけ休みたい。
「大空ちゃん、俺さリンスー変えようと思ってんだけどさ、オススメってある?」
「え、原田隊長?嘘ですよね…」
「今日はエイプリルフールじゃないぞ?」
運良く他の隊士と話し出してくれて、その場を離れる事が出来た。
うん。今度私のリンスー貸してあげよう。
.
.
「……………あれ…私…」
あれ、何で………廊下を歩いてた筈…
思い出そうとすれば、する程キリキリと頭が痛む。
それに視界もいつもよりぼやける。
起き上がろうとすれば、酷い吐き気と怠さを感じ、思わず顔を歪めた。
「駄目だよ、寝てなきゃ!」
佐乃ちゃん。そう声に出そうと思ったが、それより先に向こうが話し始めた。
「Aちゃん倒れたんだよ?熱測ってみたら39度近くあって。そうだ、あのね沖田さんが運んでくれたんだよ!しかも、お姫様抱っこで」
沖田さんが…
その先はよく聞いていなかった。
全てを聞き終えるより早く、目蓋が閉じたから。
「ふふっ寝てる。おやすみ、ゆっくり休んでね。
………あ、沖田さん……今眠った所ですよ」
障子を開くと、部屋の近くの壁に寄りかかり、腕を組んでいる沖田さんが居た。
話しかければ、正面を向いたまま話し出す。
「まさかあいつが、ここ数年ほぼ休み無しで働いてたたァね。まるで、土方が二人いるみたいでィ」
「休みの日も、誰かの仕事を引き受けてたみたいなんです。やっぱりそれに便乗して、仕事サボってた人がいるらしくて」
「それなら、俺の仕事引き受けてくれれば良かったのになァ」
そんなこと言いながら、私に背を向けて去っていく。
そのあと、屯所内で誰かの悲鳴が聞こえたものだから思わず声を出して笑ってしまった。
沖田さん、本当に不器用だなぁ。
さっきだって。
焦ってた、珍しく。滅多に表情を崩さない、あの沖田さんが。
「面白いや」
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千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» 返信が遅くなり、すみません!!ご期待に添える自信はあまりないですが、書くのがすごく楽しいので頑張ります!! (2020年2月16日 23時) (レス) id: 88ef43b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごく好きです!(この作品も千さんも)(突然の告白) (2020年1月25日 23時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» すごく驚きました。すごく嬉しいです! (2020年1月25日 12時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» と思ったら1位だよ!!!!おめでとう!!!! (2020年1月19日 1時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごっっっ!!もう去年Aなってるんだよなぁ我。あ、関連作品ランキング2位おめでとう!!!!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:千の歌を歌う人 | 作成日時:2020年1月1日 1時