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長所と短所は表裏一体 ページ8

「あーあ、ほんとお前騙しやすいわ」

「え、騙してたんですか!?」



馬鹿だわ。こいつ本格的な馬鹿だ。

疑うってこと知らねェのか。
純粋過ぎるんだな。まぁつまりは、阿保。



「あんた困ってる奴が居たら、誰にでもほいほい付いて行きそうでィ」

「まっさかー!時と場合で判断してますよ、流石に」


常にTPOを意識して行動してるとドヤ顔で言ってくる。一番意識してねェだろ…



「だから…」



“心配なんだよ”


…何、言おうとしてんだ。柄にもねェこと。
いつも、いつも迷惑してんだ。
昔からずっと。

どうなろうが、知ったこっちゃねェ。


だがなァ。




「……痛ッ」


右肩を掴むと、表情を歪める。
ほんとこいつは昔っから。


「なーんて!!あははは」


弱いくせに、強く見せようと笑う。
イラつくんだよ。






「女なら、傷ぐらい気にしなせェ」



そもそも何で、ここにいるんだよ。こんな死と隣り合わせみたいな、真選組に。

そういや、こいつが泣いてんの見た事あるっけ。



真選組が結成された当時だったか。
確かあれは……………………忘れたわ。




「女も何も、ここにくる時に一応捨てたので。それに傷は女にとっても勲章なんですよ!!」



いや。笑ってた。
あの時も。




『真選組に入れていただけませんか…!!』



ボロボロの服を身に纏い、伸びた髪を後ろで一つに縛り、今にも折れそうな竹刀を背に担いだ少女。

だが、瞳だけは輝いていた。


何で近藤さんがこいつを拾ったのかは、分かるようで分からない。
真選組が女が入隊出来ないのは勿論、力や体力の差からだ。それを踏まえて、こいつは男として扱ってくれていいと言った。

だから、俺達と同じ稽古を毎日こなしていた。
いや、それ以上。



芯の強い奴なんだと思う。きっと誰より。





「どうかしました?」


「…ん?ちっと、昔を思い出してねィ」


「そうですか!きっと、可愛いんだろうなぁ。隊長は昔からずっと!!」


「そんな前じゃねェよ。大空と初めて会っちまった時のことだよ」


「あぁ!運命の出会いのことですね!!」


「違いまさァ。最悪の出会いでィ」



一瞬、悲しそうに笑ったような気がする。

本当に一瞬。




「あの時からずっと好きなんですよ?隊長の事」




だから、そろそろ付き合ってくれても。

なんてはにかんで笑う。
いつもの調子で言ってくるもんだから、気付けないんだ。本当の気持ちに。


泣きたいなら、泣けよ。


…素直に言えねェ。

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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組   
作品ジャンル:恋愛
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千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» 返信が遅くなり、すみません!!ご期待に添える自信はあまりないですが、書くのがすごく楽しいので頑張ります!! (2020年2月16日 23時) (レス) id: 88ef43b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごく好きです!(この作品も千さんも)(突然の告白) (2020年1月25日 23時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» すごく驚きました。すごく嬉しいです! (2020年1月25日 12時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» と思ったら1位だよ!!!!おめでとう!!!! (2020年1月19日 1時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごっっっ!!もう去年Aなってるんだよなぁ我。あ、関連作品ランキング2位おめでとう!!!!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千の歌を歌う人 | 作成日時:2020年1月1日 1時

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