嘘吐きな私と正直な君 ページ27
「ねぇ、どうして。どうして、庇ってくれたの？」
「…ん？女の子を守るのに理由なんて、いらないさ」
変わらない。ずっと、仁は。
繋がれた手と手を振りほどこうとしたら、強く握られて離せない。
「…仁。敵同士になっちゃったね。
でも……それが仁の選んだ道で、これが私の選んだ道だから。後悔なんてない」
「…いや、僕はずっと大地仁だよ」
昔と変わらない笑みを浮かべる彼は、何処か私と重なった。
「あんた、こいつに何か用ですかィ？」
「…わっ、すごい睨んでる。彼氏も来たみたいだし、バイバイA」
「……ありがとう仁」
次に会う時は、もうその名は呼べないけど。
その代わり、言葉の代わりに剣を交える。
それが私達の幼馴染でも、友達でもない、今の関係。
「大空、来なせェ」
右手を繋がれる。どうしよう。心臓が壊れそうなくらいに脈を打っている。
繋いだ手は暖かくて、震えがだんだんと和らぐ。
結局、隊長が足を止めるまで一言も交わさなかった。
「此処なら見えるだろィ」
「昼間の川？」
「ま、その内分かりまさァ」
ドンッ＿＿＿
響いた音、空に咲いた色取り取りの花。
口をポカンと開けて見ていると、君は隣で何かを言ったんだ。声は、私まで届かなかったけど。
『……好きだ』
ううん。届かなければ良かったの間違いだ。
花火の音で聞こえなかった事にして、空を見上げる。
きっと、ゴリラが好きとか言ったんだろう。うん。
だけど………少し、勘違いしてしまった。私の事かもしれないなんて。そんなわけないのに。
「さて、何か奢ってもらおうかねィ。露店も出てる事だし」
なんだ。ここに連れて来てくれたのも…その為か。
「いっぱい出てますね」
今日は勘違いしてばっかりだ。
だけど、繋いでいた右手をもう一度取られる。また迷子センターに行きたくないからと。
今日だけは、勘違いしてても良いかな。なんて。
「流石！射的上手です！！」
「そりゃあな。俺ァ昔、スナイパーって呼ばれてた……と思いやすからね。何にしやすかィ」
「ちょっと！？俺、景品じゃないから！前も同じ事したよね？ふざけんじゃねーよ！
お嬢ちゃんも
「えっと…あんまり、その要らないっていうか」
「要らないなら最早、撃たれてる意味ないよね？！
射的の意味分かってないよね！？」
「これ、やらァ」
「えっ……これって…射的の景品ですか？」
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千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» 返信が遅くなり、すみません！！ご期待に添える自信はあまりないですが、書くのがすごく楽しいので頑張ります！！ (2020年2月16日 23時) (
レス) id: 88ef43b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごく好きです!(この作品も千さんも)(突然の告白) (2020年1月25日 23時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» すごく驚きました。すごく嬉しいです！ (2020年1月25日 12時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» と思ったら1位だよ!!!!おめでとう!!!! (2020年1月19日 1時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごっっっ!!もう去年Aなってるんだよなぁ我。あ、関連作品ランキング2位おめでとう!!!!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千の歌を歌う人 | 作成日時：2020年1月1日 1時
