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人生は計画より実行 ページ22

硫黄の匂いが微かに立ち込める街。初めての匂いにあんまり好きじゃないな、なんて思いながら歩く。
何となく入った土産屋の中、ある物に目が留まった。


綺麗……


「欲しいんですかィ?」

「はえっッ!?沖田隊………沖田さん」


一瞬、隊長と言い掛けた。だが今は隊服も着てないし、可笑しいと思って言い直した。
袴姿の隊長も素敵で見惚れていると、キモいと言われた……


「いや…この色。沖田さんの瞳みたいで、すごく綺麗だなって」


カーネリアンという名の天然石があしらわれたブレスレット。
ほら、と見せると固まったまま動かない。




「…さて、帰るとしやしょうか」


歩きながら、何度も言おうと思った。
一緒に街を歩きたいって。
でも言えないんだ。胸が高鳴って、ドキドキして。
いつもと何処か違う彼に。

でも……もう二度と、言えないかもしれないから。



「沖田…隊長。あの……一緒に、一緒に街を見学……してくれませんか?」


緊張し過ぎて、隊長呼びに戻ったし見学って何だよ!!顔ももうきっと真っ赤。

振り返った彼は、ニヤッと笑っていた。

きっと馬鹿にされてるんだと思う。



「そういや腹減ったなァ、なんか食うとでもすっか。勿論お前ィの金で」

「勿論ですッ!!」






「じゃあ、寿司な。回らないやつ」

「……………」

「……無視?」



財布の中身が小銭しかない絶望に襲われている時、着信音と共に懐に入れておいた携帯が振動した。

取り出せば、カフェラテという表示。
ん?カフェラテから電話なんてくるわけ…
あぁあいつか!!7番隊の年がら年中カフェラテ(コーヒー豆に特にこだわりは無いけど、牛乳はこだわりがある)飲んでるあいつか。



「…はいはい。もしもし、ラテ?」

〈至急応援願います。今、恐らく攘夷浪士の集団に襲撃されて何とか、十二人は捕えたのですがその内何人かに逃げられてしまって。他の隊にも連絡しました。監察方は、情報収集を既に始めています〉


「分かった。沖田隊長、聞こえましたよね」

「めんどくせェ。見つけたらぶった斬ってやらァ」



「じゃあ、あっちの方に私は行きますね」

「見つけたら死ぬ前に言えよ」


あ、死ぬ前提なんですね!!

そう言って背中を向け、やがてその背中は見えなくなる。これから、7番隊のみんなと合流す予定……だったけど。



〈隊長、気を付けて。奴らの目論見が分からない以上余計。攘夷浪士の一人が聞いてきたんです。真選組の女隊士はと〉


心当たりがある。

泣きっ面に蜂とは正にこの事→←異郷の地は土地勘がないから怖い



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設定タグ:銀魂 , 沖田総悟 , 真選組   
作品ジャンル:恋愛
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千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» 返信が遅くなり、すみません!!ご期待に添える自信はあまりないですが、書くのがすごく楽しいので頑張ります!! (2020年2月16日 23時) (レス) id: 88ef43b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごく好きです!(この作品も千さんも)(突然の告白) (2020年1月25日 23時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» すごく驚きました。すごく嬉しいです! (2020年1月25日 12時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» と思ったら1位だよ!!!!おめでとう!!!! (2020年1月19日 1時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごっっっ!!もう去年Aなってるんだよなぁ我。あ、関連作品ランキング2位おめでとう!!!!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:千の歌を歌う人 | 作成日時:2020年1月1日 1時

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