立場が逆転しても尚、募るばかり ページ18
「本当にそう思うなら、もう一回するけど」
「分からないです。分からないでぇええすぅうう」
そう言い隊長を置いて、走って屯所に戻る。
事故なんだ。事故。
けど……沖田隊長が可笑しいのは、分かった。
走りながら、自分の頬を叩いた。
「はぁ……旅に出ようかな」
食堂で唐揚げを口に運びながら、向かいに座るお馴染み、女子力系男子の原ちゃんに話しかけた。
「それじゃ、良かった。
温泉には７番隊が行くといい」
聞けば、度々攘夷浪士が出現するという温泉街。
監察方が、攘夷浪士の旅行プランを何とか割り出したらしい。
行きたい…！！
全てを忘れて、のんびりしたい！！！
温泉なんて、生まれて初めて。
「あ、だけど………………なんだけど、いいよね？」
「え？あぁ」
聞いとらんとでした…
「これは仕事だからな、大空。じゃあ、決まりで」
「あぁマヨ方さん。今日も税金泥棒してますね！！」
原田さんの隣で、土方スペシャル(カロリーオフ使用)を食べるマヨ方さん。
「いいさ。マヨを笑う者は、マヨに泣くんだかんな」
「分かったかんな」
「橋本………って言わすな！！」
その日の夜。屯所内の道場。
「大空、力が入り過ぎだ。剣術は力を込めれば、それでいいってもんじゃねェ」
「はい隊長」
週に一度だけ、沖田隊長は私と手合わせしてくれる。
正確には、柔弱部隊と呼ばれる7、8、9番隊の住み込みの隊士達に一番隊の人達が。
それは本当に貴重な事で、学ぶ事ばかりで。
集中しなきゃいけないのに、今日は………心臓がうるさい。
「……そんな、生半可な気持ちで刀なんて握らねェ方が身の為だ」
そう言うと、隊長は道場から出て行ってしまった。
呆れられたかな…
「大空ちゃんは強いよ！！女の子なのに、すごいよ」
「うん。そうだ、そうだ」
女の子……か。
その壁がある限り、私は本当の意味で真選組の一員にはなれないの？
どんなに努力しても、近付けないの？
「はぁ…はぁぁ……いちッ、にッ…いッち」
誰も居なくなった道場の中、残って素振りをする。
強くなりたい。沖田隊長に認められるくらい。信女ちゃんみたいに、強く。
「だから力が入り過ぎなんでさァ、あんたは」
「隊長」
声をする方を見ると、入り口の柱にもたれ掛かり腕を組んだ隊長がいた。
「何、考えてんでィ。まるで集中できてねェ」
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千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» 返信が遅くなり、すみません！！ご期待に添える自信はあまりないですが、書くのがすごく楽しいので頑張ります！！ (2020年2月16日 23時) (
レス) id: 88ef43b3c1 (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごく好きです!(この作品も千さんも)(突然の告白) (2020年1月25日 23時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
千の歌を歌う人(プロフ) - 十音さん» すごく驚きました。すごく嬉しいです！ (2020年1月25日 12時) (レス) id: 1dfb43aa3f (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» と思ったら1位だよ!!!!おめでとう!!!! (2020年1月19日 1時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
十音 - 千の歌を歌う人さん» すごっっっ!!もう去年Aなってるんだよなぁ我。あ、関連作品ランキング2位おめでとう!!!!!! (2020年1月19日 0時) (レス) id: 29ef4bacad (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：千の歌を歌う人 | 作成日時：2020年1月1日 1時
