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リビングのドアを開け
足が止まる。
“俺、Aが…”
ソファーに残る剛典の残像。
あの日もこんな朝だった。
携帯電話にその名前を表示させてはスリープし
もう一度表示させてはスリープし
「おはようございます」
「おはようございます、小林さん」
結局、何の連絡も出来ないまま
いつもの朝が始まってしまった。
「おはよ、A」
「…おはようございます」
何も変わらない笑顔。
後部座席で絡む指も、いつも以上でも以下でもない。
連絡しなかった事に罪悪感を持ちつつ
それ以上に、気落ちしていた。
嫉妬してくれないの？
責めてくれないの？
利己的な発想だと頭では理解している。
でも
負の感情を向けられない事で
お前は自惚れていると、勘違いするなと
これまでのことは全て戯れで
全て気まぐれだと
無言でそう言われている気分。
「A、コーヒー」
変わらない声のトーン。
変わらない仕事姿。
一挙手一投足が気になって仕方ない私は
隙を見てはその様子を伺っていた。
「ん？どした？」
「剛典、……昨夜だけど」
「うん、大丈夫」
にっこり微笑んでくれたけど
何も弁解させてもらえない状況を作った剛典に
もどかしさを感じていた。
感情が、全く読みとれない。
むしろ
私情を持ち込まないその態度は
社会人として最良で最善なのかもしれないけど
…聞いてくれたっていいじゃない。
…弁解の余地を与えてくれたっていいじゃない。
あれ程解りやすく嫉妬を向けてくれたくせに
それでも直人の部屋に向かったのは私だけど
でも
「お疲れ。今日は残業しなくていいよ」
確実にショックを受けていた。
あの日、心も繋がったと感じたのは
自惚れだったって事？
全部、虚像？
それとも
“
そういう位置づけ？
……。
わからないよ、剛典…
心の傷を和らげる手段の一つとして
人はその傷を
無意識のうちに怒りにすり替える事がある。
そして
すり替えられた怒りが馬鹿げていたと気付いた時
諦めの境地に入る。
それだけならまだいい。
自暴自棄になってしまうと
判断能力が散漫し
楽な道へ逃げ出したくなると言う事を
私はもっと認識しておくべきだ。
「隆二君こんばんは」
「いらっしゃいAさん」
「え…？A？」
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空(プロフ) - kotanonさん» 更新遅くなってすみません^^;ありがとうございます！３も、お付き合い頂ければ嬉しいです＾＾♪ (2020年6月24日 7時) (
レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
kotanon(プロフ) - 空さ〜ん☆更新ありがとうございます！！ これからの展開も楽しみにしてます♪♪ (2020年6月24日 0時) (レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ねーやんさん» お久しぶりです！お手間とらせてすみません^^;移行になります！よかったらまたよろしくお願いします＾＾ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 行きましたよ―笑ついでにATMもｗｗ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わ…びっくりしました(笑)お久しぶりです。久々すぎても一度読み返しまーす(笑) (2020年6月21日 22時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月8日 16時
