052 side you ページ2
「おはようございます小林さん」
「おはようございます。ゆっくり休めましたか？」
「お陰さまでした。完全復活です」
「それは安心しました」
“おやすみA”
“ごめんなA”
“Aが居ないと
俺、落ち着かないみたいなんだよね”
完全にキャパオーバー。
どう足掻いても収拾する事が出来ない
大荒れの心。
行き着いた結果、一旦、思考を停止する事にした。
「おはようA」
「おはようございます。本日のスケジュールは…」
バックミラーの小林さんは
そんな私を穏やかに見守っていてくれた。
秘書課のミーティング。
「A、どう？」
――副社長がプロジェクトに参加する事を
――不服に思う人間も居るって事、分るわよね？
「今の所、特段目立つ変化ははありません」
「了解。何かあったらすぐに報告するのよ？」
そう。私がまず集中しなければならない案件。
“Aが副社長を守るのよ？”
翻弄されている場合では、ない。
平然とやり過ごせたであろう一日。
「ふーっ、疲れた。A、コーヒー淹れて♡」
語尾にハートが見えるのは気のせいだろうか？
そうとう機嫌良さげな剛典に
疑問を抱えたまま給湯室に行けば
にっこにこの笑顔で私の後を着いて来た。
「…何？」
「んー？別にー？」
給湯室と言っても、そこは副社長室の片隅にある
間仕切りもない窪んだだけの空間。
後を着いて来た剛典は
ポットが置いてある台に軽く腰を掛け
腕を組みながら楽しそうに私を見ていた。
豆の缶を開ければ、広がる芳ばしい香り。
「…いい顔」
「…え？」
“常套手段”だったはずの甘えるような上目遣いは
いつの間にか射る様な瞳の艶だけを残し
私に向けられていた。
その艶に
ドキッとしてしまっていた。
昨夜、散々足掻いて
ようやく思考停止まで辿り着いたはずなのに
“A、どう？”
“翻弄されている場合では、ない”
今朝、そう言い聞かせたばかりなのに
あっさりと心を動かされ
悔しい。
「副社長。来週の大阪ですが…」
律する為、誤魔化す為に
わざわざ敬語を使ったと言うのに
「あ、そうそう、それ。臣さんも行くらしいよ？」
不意に言葉にされたその名前に
今度はドンと、頭に何かが落ちた様な衝撃。
衝撃が強過ぎて、何の言葉も返せなくなった自分が
悔しい。
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空(プロフ) - kotanonさん» 更新遅くなってすみません^^;ありがとうございます！３も、お付き合い頂ければ嬉しいです＾＾♪ (2020年6月24日 7時) (
レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
kotanon(プロフ) - 空さ〜ん☆更新ありがとうございます！！ これからの展開も楽しみにしてます♪♪ (2020年6月24日 0時) (レス) id: 3c70e90779 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ねーやんさん» お久しぶりです！お手間とらせてすみません^^;移行になります！よかったらまたよろしくお願いします＾＾ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 行きましたよ―笑ついでにATMもｗｗ (2020年6月23日 10時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ねーやん(プロフ) - わ…びっくりしました(笑)お久しぶりです。久々すぎても一度読み返しまーす(笑) (2020年6月21日 22時) (レス) id: 8f158f058f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2020年3月8日 16時
