006 side H ページ6
上海支社に赴任して6年。
年度替りを待たずして本社へ異動の内示が出たのは２か月前の事だった。
「期待してるよ、登坂君」
「ありがとうございます。精進します」
挨拶を兼ねて本社に訪れていたその日。
上役との会食があり、本社が入るビルのロビーでメンバーが揃うのを待っていた時だった。
エレベーターから降りる人の波に見つけた
一人の女性。
･･･いい女。
透き通るような肌に色素の薄い瞳。
ゆるく巻いた栗色の髪をなびかせながら笑顔で受付に挨拶をするその姿に、全てを持って行かれた。
今思えば一目ぼれだったのかもしれない。
体感した事のない感覚に戸惑いながらも
無意識に彼女を目で追っていたら
一瞬目が合い、ドキッとした。
でも彼女は
街中で他人とすれ違う時の様に視線を反らし、足早に目の前を通り過ぎて行った。
そして。
エントランスの外で待つ黒髪の男に駆け寄り、腕を絡め、幸せそうにその顔を見上げた。
「チッ･･･」
男が居たか。
「登坂、行くぞ」
「あ、はい」
もう一度向こうを見た時
二人の姿は消えていた。
このビルにはいくつか企業が入っている。
彼女はウチの社員だろうか？
よその社員だろうか？
いや、外部の可能性も拭えない。
･･･その前に、男が居たな。
･･･もしかして、幻だったか？
･･･。
らしくない、な。
覚えたての恋に翻弄されていた頃の様な自分に、
思わず苦笑いした。
赴任３日前。
上海のアパートを引き払い、東京に帰って来た。
用意して貰ったマンションは18階建の18階、
職場からもそう遠くなく
便利のいい場所にあった。
荷物はほとんど処分して来たから
部屋は閑散としているが
そんな中、
こだわって購入したキングサイズのベッドが
存在感を主張している。
赴任前日。
帰国の報告を兼ね、両親と食事をした帰り道、
奇跡が起こった。
通り掛かったBARから
勢いよく飛び出して来たその女性。
ーーー彼女だ！
“どんなチャンスも逃すな”
社会人になって学んだその教えは、
とうに身に付いている。
考えるより先に身体が動いていた。
このチャンス、逃すわけにはいかない。
・
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空(プロフ) - ユキさん» ありがとうございます＾＾ライブは、このお話の030での登坂さん風に“ご想像で”です(#^.^#) (2020年1月27日 16時) (
レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 空さんのストーリー大好きです三代目perfectyearライブは観に行く予定はありますか？私は京セラ観に行きたいけど倍率凄く高いですね(´；ω；｀) (2020年1月27日 12時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - ユキさん» 楽しんで頂ければ幸いです＾＾ (2020年1月26日 19時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
ユキ(プロフ) - 三代目メンバーのストーリー大好きです(*ゝω･*) (2020年1月26日 17時) (レス) id: 7bd6b3fcc4 (このIDを非表示/違反報告)
空(プロフ) - shireyさん» ありがとうございます(^^♪ (2020年1月26日 13時) (レス) id: 7cc216fb7f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：空
| 作成日時：2020年1月18日 10時
