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翌朝
宮舘は阿部の部屋に向かい、扉をノックした
「阿部くん、起きてる？」
返答がなかったため恐る恐る扉を開くと、阿部がベッドに座っていた
「起きてたんだ！おはよう、早起きだな」
「情報の整理を完了しました、次の指示があるまで待機します」
話が噛み合っていない
「朝ご飯食べよう、一緒に来て」
「了解しました」
こうして、新しい一日が始まる
宮舘と阿部が一緒に暮らし始めて、しばらくこのような日々が続いた
阿部はまるでロボットのように、言われたことをこなしていた
これは今までの生活環境だけでなく、彼の能力も影響していた
情報収集が得意であるため、与えられた情報や新たに得た知識をすぐに記憶していく
しかし、そこに心の動きはなかった
新しいことをする際の迷いや不安、期待、好奇心、それを成し得た時の感動や喜びが彼にはない
実行したという結果しか、彼には残らないのだ
ちなみに、情報を得て学習しているためか、日常生活を送るために必要な所作は問題なくできている
マスターによれば、研究所の被験体は義務教育が終わるくらいの年齢になると、研究員から一般的な礼儀や教養、日常的な動作を教えられるらしい
ジャンクとの戦いで外に出た際に彼らを目撃した人や、研究所を査察に来た政府の者に、その場に相応しい行動を取らなかったり、逆にその場に相応しくない行動を取ったりして怪しまれることがないようにとのことだ
宮舘はそれを、男性から教わっている
そして阿部は、能力で得た知識でそれを学んでいた
「阿部くん、天気もいいし一緒に散歩しない？」
ある日、宮舘はそんな提案をした
「それは・・・命令ですか？」
「違うよ、どうかなって思っただけ、嫌なら断ってもいいよ」
「あなたの判断に任せます」
「じゃあ・・・行こう」
「了解しました」
二人は建物を出て、辺りを歩いた
ここに来てから、阿部が外に出たのは初めてだった
温かく、心地の良い風が吹き抜ける
宮舘は自然と、顔が綻んでいた
「なぜ笑っているのですか？」
そんな宮舘を見据え、阿部は首を傾げていた
「楽しいからかな・・・、お前と一緒に散歩するのが」
「楽しい？・・・まだ会得していない情報です」
「頭じゃなくて、心で感じることだよ、・・・お前にもそのうち分かるよ」
それからしばらく散歩を続け、二人は穏やかな時間を過ごした
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天照(プロフ) - さっくさくなパンダかな？さん» 絶体絶命の状況でございます、阿部ちゃん大ピンチです、舘様助けて〜 (1月14日 19時) (
レス) id: 8d018a4196 (このIDを非表示/違反報告)
さっくさくなパンダかな？ - えっ！どうなんの！ちょー気になる、 (1月13日 22時) (レス) @page18 id: 37232c53cb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：天照 | 作成日時：2025年1月6日 18時
