act14-6 ページ35
〜加藤side〜
それからその男は度々俺のところに来た
力が戻りそうになると、宣言した通り何度も抑えてくれる
人間達はその男のことをこう呼んでいた
『西行法師』
彼と出会ってから、俺が過ごす時間は、今までと全く違って思える
人間達の笑顔を見ると、心が温かくなった
悲しそうな表情をすれば、心が締め付けられる
まるで、感情を持ったようだ・・・
西行法師は時が経つほど、頻繁に来るようになっていった
時には桜の下で食事をすることもある
花見気分だな・・・
季節が巡る、何度も、何度も・・・
西行法師も年老いていき、歩く速さが少しずつ遅くなる
桜の力を抑える際も、以前より時間がかかっている気がした
それでも彼は、自らの力を使い、俺を守り続けてくれた
ある日、いつもの様に桜の元に来た西行法師は、木に凭れるように腰を下ろした
西行「・・・何年目になるかな、お前さんと出会って」
・・・俺に話しているのか?
西行「噂には聞いていたが、実際に見た時は、あまりの美しさに心を奪われたよ」
思いもよらない彼の心境を聞き、驚きと同時に恥ずかしくなる
西行「私はね、桜が大好きなんだ、特にお前さんは、私が今まで見てきた中で最も美しい桜だ」
桜にそこまで違いがあるのか、俺には分からなかった
西行「だから、守りたくなったんだ・・・、私が生きているうちは、お前さんと一緒にいたいと思ってな」
当然、俺は言葉を返せない
なのに彼は俺が聞いていることを分かっているように、話をしてくれた
彼の考えは、俺には理解出来ない部分が多い
ただ、今俺が「嬉しい」という感情を抱いていることは確かだ
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天照(プロフ) - さやかさん» 感想ありがとうございます!凄く嬉しいです!お掃除の手を止めてしまい申し訳ありません。ですがとても光栄です。こんなカオス極まりない小説ですが、これからも更新を楽しみに待っていただけると作者が泣いて喜びます。これからも応援よろしくお願いします。 (2019年8月16日 19時) (レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
さやか(プロフ) - はじめまして。お話に引き込まれてお盆の掃除がはかどりません!学生時代に好きだった小説を思い出しました。更新楽しみにしています。 (2019年8月16日 13時) (レス) id: f831f78169 (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - ぱなさん» 感想ありがとうございます!凄く嬉しいです!さ、最高ですと!?身に余る光栄でございます。凄いと言っていただいて感謝感激です。これからもどうぞ本作をお楽しみください。 (2019年8月15日 18時) (レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
ぱな - お話が最高すぎて私の語彙力奪われて凄いしか出てきませんw (2019年8月14日 23時) (レス) id: b7efa85c18 (このIDを非表示/違反報告)
天照(プロフ) - みかんタルトさん» いつもありがとうございます!手越さんに続いて増田さんも前世の記憶を取り戻しました。加藤さん、そして主人公の過去も近々判明するかと・・・。お気遣いありがとうございます。みかんタルト様も体調を崩さないようお気を付け下さい。 (2019年8月9日 18時) (レス) id: 2734c54e1d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:天照 | 作成日時:2019年8月6日 18時