第四十七話「悪役令嬢の思い」 ページ48
「A？どうかしたのか？」
手紙を持ったまま黙っていたのが不審に思ったのだろう。心配するようにグルッペンが尋ねてきた。
『なんでも、なんでもありませんわ。』
落ち着け。幸い、手紙の内容は私しか知らない。エーミールも流石に中身を勝手に見るようなことはしないだろう。なら、私がやるべきことはただ一つ。
『そう言えば、ゾムは文化祭で何をするの？』
「シャオロン達と劇やんねん！」
話題を逸らすことだ。この手紙については後で考えればいい。今は、別の話題を提示してそれについて話してもらう。それが、手っ取り早い。
「先程見ていましたが、皆さんとても凄かったですよ」
『そうなのですね。本番が楽しみですわ』
「Aは見ていかんの？」
『楽しみは本番に取っておきたいの。それに私は、他のクラスの方々から資料を集めに行かないといけないから、もう行くね』
手紙を内ポケットに入れてその場を立ち去ろうとする。資料集めをして、この手紙のことについて考える。メインキャラには悟られないようにしないと。
「A」
グルッペンに名前を呼ばれ、振り返る。彼はいつものように、笑っていた。
「あまり無茶はするなよ。いつでも休憩していいからな」
『ありがとうございます。』
気持ちだけ受け取っておくよ。
「少し休みたいって、何かあったの？大丈夫？」
資料集めも終わり、生徒会室の机に届けたので私は保健室にいた。ベッドだったら、寝ているから誰も来ないと思ったからだ。
『特に何もないんです。ただ、少し。』
しんぺい神から枕カバーを貰って真っ白な枕に着ける。
「そう？ならいいけど。放課後になったら起こすね」
『態々すみません。』
カーテンが閉じられる。さっき見た手紙をもう一度眺める。ヒロインの文字は知らない。そういう描写はあんまり無かった。けれど、綺麗な文字はヒロインが書くのに相応しいのだろう。
『私は、ヒロインの代わり』
本来なら役員補佐も、メインキャラに囲まれるのも、サブキャラと親しげに話すのも、全てヒロインの役割。悪役である私はそれの代わりであって、彼らとは本来ならそんな関係は築けない。
けれど、どうしてだろう。彼らと、私を殺す存在である彼らと一年後話せなくなるのはとても寂しい。いや、これは運命だ。遅かれ早かれ、彼らはヒロインの元へ行く。なら、ならせめて
『今だけ、傍に居させて。』
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loW(プロフ) - 兎さん» それについては前にもご指摘されたことがあります。その時にも実際に確認した所、内容が酷似する所があり、幾つか修正致しました。結論としましてはパクリではありません。ご友人の方にオススメして下さったのに、大変申し訳ございません。 (2023年1月21日 8時) (
レス) id: ae4054d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
兎 - （続き）たしかに内容が酷似していました。たまたまだったり参考にしただけと言うにはあまりにも似すぎています。ほんとうにパクリなのですか？ (2023年1月21日 7時) (レス) id: 05be321f09 (このIDを非表示/違反報告)
兎 - lowさんの作品、いつも楽しく拝見させていただいてます。この前、友人にこの作品を進めたところ、「pixivで掲載されているwrwrd！の二次創作『もしかして:悪役』のパクリ」と言われてしまいました。実際に読んでみたところ (2023年1月21日 7時) (レス) @page22 id: 05be321f09 (このIDを非表示/違反報告)
loW(プロフ) - ピット☆さん» 教えて頂きありがとうございます。youtubeをコピーし、Googleで検索したところきちんと出てきましたが、こちらの不手際が原因ということもあります。早急に貼り直したいと思います。 (2022年10月29日 17時) (レス) @page49 id: ae4054d4f7 (このIDを非表示/違反報告)
ピット☆(プロフ) - 同様に飛ぶ事が出来ず、動画投稿のツイートからやっとyoutubeのチャンネルページ等に飛べましたのでもしかしたらURLを貼り直す方がいいかもしれません💦 (2022年10月29日 11時) (レス) id: 9c7661f737 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：loW | 作成日時：2022年9月29日 19時
