どこまでも優しく ページ30
「あ〜
チョコを押さえる手は猫の手ですよ」
「は、はい！猫の手！」
「混ぜるときはゆっくりで良いですよ。大きく揺らすとお湯が混ざっちゃいますから」
「ゆっくり…そーっと…」
「卵は卵黄と白身に分けて、」
「……す、すいません」
そもそも殻と中身にすら分けられない私
粉々になった卵の殻がプカプカと浮いている
「先生…
私、やっぱり向いてないですよね。今からでもやめた方が」
「大丈夫ですよぉ。最初から上手くいく人なんてほとんどいませんから」
「うぅ」
「ほら、殻取れましたよ〜」
私がどんなに失敗してもニコニコ笑顔
この人、本物の天使なのではないだろうか
その後
泡立て器で混ぜたり
ハンドミキサーで混ぜたり
あちこちに生地を撒き散らしながらガトーショコラ作りを続けた
「ここから約30分オーブンで焼きます」
「それで終わりですか？」
「はい。後は簡単に飾り付けをしても良いですね」
終わった…
長かった
本当はもっとスムーズに出来るはずなのだろう
他の生徒さんたちはあっという間に焼き始めて、今はお茶を飲みながら談笑している
「Aさん」
「はい
…っわ、」
顔を上げたら
すぐ近くに美しい顔
「ここ、チョコがついてました」
「あ…ありがとう、ございます」
頬を撫でる細く美しい指先
この瞬間だけはギョンスのことを忘れ、ドキドキしてしまった
浮気じゃないよ？
決してそういうんじゃない
普段からギョンス以外の男の人に触れられるなんてことは無いし、ギョンスだってこんな風に甘い感じで触ってくることは無いし
いや、別に先生も甘い雰囲気にしたつもりはないのだろうけど
なんだろうな
自然と溢れ出る色気というか
柔らかな優しさの中に男らしさがあるというか
先生、モテるんだろうなぁ
そんなことを考えていたら
先生がキッチンを綺麗に片付けながら一言
「焼き上がりを待つ間にもう一品用意しましょう」
「え！？」
無理無理
これ以上出来ませんって！気力が限界です！
「先生…私は」
「あはは、安心してください。これは僕が作ります」
「へ？」
あ、そうなの？
なんだ…よかった
「皆さんお腹空いてますか？」
『空いてます〜』
『ペコペコ』
「それは良かった。少々お待ちくださいね」
優しい笑顔に女の子たちはメロメロ
料理教室というより
イーシン先生目当てに来てる人が大半なのでは？と
鈍感な私でも気づいた
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あまいくりーむ(プロフ) - 素敵な完結ありがとうございます！ギョンちゃんのツンデレなところや甘いところ、色々な表情が想像出来とっても素敵でした。焦るギョンちゃんもすごく良かったです！とってもお話楽しませていただきました！本当お疲れ様でした&ありがとうございました！ (2019年7月16日 22時) (
レス) id: 9358b5978b (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ドリーさん» ありがとうございます（ ; ; ）そんな風に言って頂けて光栄です。ギョンスがいない日々はしばらく続きますが、彼の健康を祈りながら応援しましょう！ファイティン！ (2019年7月16日 22時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - あまいくりーむさん» いつもありがとうございます^ ^最後までお楽しみ頂けたでしょうか？“苛立って八つ当たりして彼女が家出しちゃったと思って焦るギョンス”を書きたくて始めたお話だったかもしれません(笑)そのシーンを書くことが出来てよかったです (2019年7月16日 22時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ドギョンスラブ！さん» 大好きだなんて嬉しいです(T_T)応援ありがとうございました！ギョンスの無事を祈りながら帰りを待ちましょう！ (2019年7月16日 22時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
レモン(プロフ) - ジンリさん» 続きもがっかりせずお楽しみ頂けたでしょうか？お付き合いありがとうございました！ (2019年7月16日 22時) (レス) id: 66b1f2a509 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：レモン
| 作成日時：2017年11月12日 14時
