【刀剣乱舞】霊力循環異常症候群Ⅱ型専門医助手 (ページ13)

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「私は出陣などの任務をこなせないので、暇で暇で仕方ないのです」

そう言って、彼は深いため息を吐いた。

　「もしよろしければ、私がお勧めの本などを紹介させてください。今すぐには選べませんから、今度取りにきてください。無理ならば私が渡しに行きます」

ぽん、と手を叩いて一期一振が提案した。

まるで、名案を思いついた子供のように、彼の眼はらんらんと光っていた。

　唐突な提案にやや困惑したが、大して迷惑なものでもなく、むしろ少し嬉しいものだったので私は首肯した。

　「良かった……。それでは、後日選び次第連絡しますね」

　一期一振が茶をとってくると言って席を立つと、私は先ほどの一期一振の発言を反芻した。

　「『出陣などの任務をこなせないので、暇で暇で仕方ない』、か……」

　ここの審神者の症状は、刀剣男士との同化現象。

　それは外見だけではなく、性格や体調にも反映され、果ては片方が怪我をした場合はもう片方も同じ痛みに苛まれるようになる。

　そして、そこまで症状が進んでいると、もしかしたら刀剣男士が万一刀剣破壊された場合、審神者も死亡するおそれがある。

　だから、一期一振は出陣はおろか、演練も遠征も、内番すらさせてもらいないのである。

　ちなみに、その症状は悪化すれば刀剣男士にも逆流し、刀剣男士に人間っぽさを植えつけてしまうこともある。

　一期一振の幼さは、きっとここからきている。