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聖ノ石教会では、純白のウエディングドレスを着たAが式を前に、鏡の前で呆然と立ち尽くしていた。
｢綺麗だよ｣
そう言ってAの横に立ち、共に鏡に映ったのは純白のタキシードを身にまとった大我だ。
そのふたりはまるで絵に描いたように美しく、お似合いだった。
｢…ありがとう。大我も、素敵｣
｢ありがとう。僕、準備してくるから…少し待ってて?｣
｢うん｣
Aの頬に優しくキスをして、大我は部屋から出て行った。
ひとり残されたAは再び鏡に映る自分のウエディングドレス姿を眺める。
この姿を1番に見せたい人を、思い浮かべながら…
｢…樹、私……結婚しちゃうよ?｣
Aが呼んでも、樹はもちろん来ない。
北斗は樹を見つけられなかったのだろうか、もしかしたら、樹が来ることを拒んだのかもしれない。
そんなことばかり考えていると、Aの目からは自然と涙が零れ落ちた。
今まで、何度も、何度も樹を想い涙を流してきたが、今の涙ほど悲しいものはなかった。
無情にも時が経ち、ついに結婚式の始まりを告げるノックの音が鳴り響いた。
扉から顔を覗かせたジェシーは、先日の取り乱した姿が嘘のように冷静で、Aはそれが不思議でたまらなかった。
式場に案内されながらも、ジェシーのことが気になり、ついつい顔をチラ見してしまう。
｢ご結婚おめでとうございます…とか、言って欲しいんですか?｣
｢いや、違うけど…｣
突然のジェシーの発言に、Aの心臓は飛び跳ねたように驚いた。
｢先日のこと…申し訳なかったです。少し、やり過ぎました｣
｢あ、いや…もう、大丈夫｣
｢…でも、俺、まだ諦めてないんで｣
｢え、それ…どうゆう…｣
｢着きました｣
ジェシーの言葉の真意を聞こうとしたが、教会の扉の前に着いてしまい、それは叶わなかった。
少しそのことが心に残りながらも、今は目前に迫る結婚式の方がら大切だとAは判断した。
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さいか(プロフ) - リリーさん» コメントありがとうございます！最後まで楽しんで頂けたなら、本当によかったです！ぜひぜひ、次回作も楽しみに待っていてください！ (2019年2月3日 0時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - なるみやさん» コメントありがとうございます！お褒めの言葉とても嬉しいです！最後まで書いてよかったと思えました。ぜひ、次のきょもほくもよろしくお願いします！ (2019年2月3日 0時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
リリー(プロフ) - 完結お疲れ様です！今回も素敵な作品で最後まで物語の世界へ引き込まれていきました。何度も読み返したくなるような…。次回作も期待してます！ (2019年2月2日 22時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
なるみや(プロフ) - はじめまして。完結おめでとうございます！とても言葉のチョイスが素敵で惹き込まれました(;_;)それぞれの思いが交差して絡まって最後は綺麗に解けていく、そんな風に感じました。次のきょもほくの作品もとても楽しみにしています！ (2019年2月2日 21時) (レス) id: 3d9da8fdcf (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2019年1月25日 20時
