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翌日早朝、Aはふいに目が覚めた。
いつもは北斗に起こされるはずが、今日はそれがないことに疑問を抱く。
しかし、床で死んだように眠る樹を見て、昨晩いつの間にか眠ってしまったようだと察した。
寝ぼけ眼を擦り、樹を起こさないよう静かに起き上がり、当たり前のように浴室へと向かった。
樹の家に泊まったことは何度もある。
その為、常にAの着替えが浴室の棚の一番下にしまってあるのだ。
Aは慣れた手つきでシャワーを浴び終え、髪を乾かす。
その音でようやく樹も目が覚めた。
ボサボサの頭をかき、カーテンを開け、背伸びをする。
｢おはよ｣
｢…おはよ｣
朝に強いAと、朝が苦手な樹。
テキパキと学校の支度をするAをぼうっと眺めながら樹は学校をサボろうかと考えていた。
すると、突然スマホが鳴った。
画面には"北斗"と表示されている。
樹は欠伸をしながら電話にでた。
｢…もしもし｣
『あれ、樹?』
｢樹だけど、何?｣
『いや、俺、お嬢にかけたつもりなんだけど』
｢…え?｣
樹は自分の耳からスマホを離し、確認してみるとそれは自分のスマホではなかった。
｢…間違えた｣
『寝ぼけてたでしょ、まぁいいや、お嬢に伝えてよ、下に迎えに来てるから準備ができたら降りてきてって』
｢りょーかいっ｣
『じゃっ』
樹の返事を待たずに、電話は切れた。
｢ごめん、間違えて電話出ちゃった｣
｢んー?別にいいよ、どうせ北斗でしょ?｣
｢うん、下に迎え来てるって｣
｢わかった、ありがと｣
樹と話しながらも準備を進めるAは、着々と生徒会長の顔に変わっていった。
樹はなんとなく、目を逸らす。
Aが支度を終えて家から出ようとした頃、樹はゆっくりと歯磨きをしていた。
｢いってきます。あ、昨日はありがとう｣
｢今さら｣
｢やっぱ樹の近くはいいな、楽だ｣
｢なにそれ?告白?｣
｢好きです!…なんて｣
｢アホらし｣
｢だね、じゃあ、また学校で｣
｢おう｣
ふたりは朝からたわいもない冗談を言い合い、それぞれの1日をスタートさせた。
『また学校で』というAの言葉に、樹は無意識に学校へ行かねばならないと思った。
時計に目をやると、既に7:30。
(まだ、走れば間に合うか…)
そんなことを考えながら、樹はAが残したあまい香りに包まれた部屋で、少し急いで支度を始めた。
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さいか(プロフ) - ちいさん» お褒めの言葉、ほんっとうに嬉しいです(;_;) 最後までどうぞよろしくお願いします！！！ (2019年1月25日 20時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます！ ぜひ、最後まで楽しんでください！！ (2019年1月25日 20時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めて読んだ瞬間、なんて素晴らしい文章力だろうと感動しました。個人的に大我くんが好きなので、女の子と上手くいって欲しいな…と祈りながらも楽しく読ませて頂きます笑 これからも応援しています。 (2019年1月24日 20時) (レス) id: a3ba396e6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 今回の作品もとても楽しみにしています！ (2018年12月21日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年12月20日 23時
