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下校時間となると、門付近にはたくさんの高級車が並んでいる。
もちろん、聖ノ石高校の生徒の送迎車だ。
ズラリと並ぶ高級車の数々を横目に、樹は無表情で歩みを進める。
どれかの車に乗ることはなく、そのまま学校を後にした。
この学校で歩いて帰る生徒など、樹の他にはいないだろう。
ひたすら歩くこと30分、高級住宅地を通り過ぎ、小道に入り、そこからまた10分ほど歩く。
そこでようやく歩みを止めた。
樹の目の前には2階建て木造アパート。
それはボロアパートと言われて当然の外見だった。
そして、樹は慣れたようにその2階へと上がる。
階段を踏む度に、ギィーっと音が鳴る。
その音にも樹は慣れているようで、なんの反応も示さない。
そして2階の1番奥の部屋へと入った。
狭い台所と、6畳の部屋がひとつあるだけの我が家にたどり着いた樹は、そそくさと制服を脱いだ。
その古くさい部屋には似合わない、数十万円する制服を丁寧にハンガーにかける。
そして、雑に脱ぎ捨てられたスウェットを着て、ようやくその部屋の住人らしくなった。
樹は久々の登校に疲れた体を伸ばし、部屋の角へと目をやる。
そこには、場違いすぎる豪華な仏壇が置かれていた。
樹はその仏壇の前に座り込む。
｢ただいま、母さん｣
その仏壇に立てられた写真には、樹の母親が優しい顔で微笑んでいた。
その顔は17年前、樹を産んだ時と変わらなく可愛らしいく、可憐だ。
樹はしばらくそこに座り込み、写真の中の母親と見つめ合う。
樹は心の中で、母親と会話しているように感じていた。
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さいか(プロフ) - ちいさん» お褒めの言葉、ほんっとうに嬉しいです(;_;) 最後までどうぞよろしくお願いします！！！ (2019年1月25日 20時) (
レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
さいか(プロフ) - ゆりさん» コメントありがとうございます！ ぜひ、最後まで楽しんでください！！ (2019年1月25日 20時) (レス) id: f4b2406715 (このIDを非表示/違反報告)
ちい(プロフ) - 初めて読んだ瞬間、なんて素晴らしい文章力だろうと感動しました。個人的に大我くんが好きなので、女の子と上手くいって欲しいな…と祈りながらも楽しく読ませて頂きます笑 これからも応援しています。 (2019年1月24日 20時) (レス) id: a3ba396e6d (このIDを非表示/違反報告)
ゆり(プロフ) - 今回の作品もとても楽しみにしています！ (2018年12月21日 11時) (レス) id: 203fcc8e94 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：さいか
| 作成日時：2018年12月20日 23時
