昔話をしよう.1 ページ27
.
小さい頃からアイドルになりたかった。
.
.
.
歌だってカラオケで90点台は当たり前程度にはうまかったし、ダンスだって一度見たら大抵は覚えられる。
美形な親の遺伝子のおかげで「一目惚れしました」って四月に三回は言われるのも慣れたもの。
そんな私はもう高校生。夢を叶えるべく数々の事務所を見学、オーディション。
まあ有り難いことに受けたオーディションは全て合格。
これでアイドルになる、という夢へ一歩前進…となるはずだった、
だった…のだが。
「だめだ…全然ピンとくる事務所がない…」
華の高校一年生チョンA、高一の一月ですでに将来設計の危機。
.
「やべぇぞ…もう一月だぞ…もう高一終わるぞ…」
コンビニで買ったアツアツのピザマンを頬張りながら公園のブランコに座る。
結構錆びていて、少し動くだけでギコギコうるさい。
「おねーちゃんブランコゆずってよぉ」
いつのまにか目の前に小学校低学年くらいの女の子が立っていた。
「む…おねーちゃんは今ピザマン食べてるの!」
「ベンチでたべなよぉ。あとはなみずでてるよ?」
ズッ…
慌てて服の袖で拭う。
あれ…ピザマンがしょっぱい…
「…おねーちゃん泣いてるの…?」
「ちち違うもん!目から鼻水出てるの!」
鼻水を拭いた袖で目を擦る女子高生って一体…
仮にもアイドル志望の。
「ハヨンがお歌うたってあげるからなきやんで…?ハヨンのいもーともね、なきやんじゃうんだよ!」
そう言ってハヨン?ちゃんが歌い出したのは小学生に人気の魔女っ子アニメの主題歌。
「…ぷっ、音外れてるよ〜」
「な、じゃ、じゃあおねーちゃんがうたいなよ!ハヨンもううたってあげない!!」
「ふふふ〜おねーちゃんそのアニメ見てるんだから歌えるんだよ??」
大きく息を吸って目を閉じる。
体を揺らして音を紡ぐ。
……やっぱり、歌うのって楽しいなぁ。
一番を歌い終わって目を開けると、ハヨンちゃんが目をキラキラさせて拍手をしてくれる。
「おねーちゃんお歌じょーず!!すごい!!」
「んふ、どういたしまして〜」
きっとこの時だ。
「あの、そこの君!!」
私のアイドル人生の始まりは。
.
1074人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
メイメイ - 読んでいてとてもドキドキしました!新作、楽しみにしてます、、、!! (2019年11月6日 19時) (レス) id: f3243f1c25 (このIDを非表示/違反報告)
メノン(プロフ) - Yukiさん» いえいえ〜!! (2019年1月4日 21時) (レス) id: 12718eb4e2 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - 了解です!ありがとうございます!! (2019年1月4日 11時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
メノン(プロフ) - Yukiさん» 全然いいですよ!?めちゃくちゃ嬉しいです!ありがとうございます!!私のボードかメッセージに何か送ってくれますか?そこでお話ししましょ!! (2019年1月3日 20時) (レス) id: 12718eb4e2 (このIDを非表示/違反報告)
Yuki - 待ちます!!!待ちますとも!!!そして読みます!!!あと、もしよかったらなんですけど、、、占つくの中でのお友達になってもらえませんか?無理でしたら全然ふっちゃってくれてかまいません!!! (2019年1月3日 17時) (レス) id: 5ccac3abe1 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:メノン | 作成日時:2018年8月19日 9時