_第19話_ ページ19
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恰好が恰好なので、視線が集まってしまっている。
恥ずかしい……。
見られていると思うと、目線をキョロキョロとさせてしまう。
何人かと目が合い軽く会釈されたりするので笑い返している。
そのせいで知らない人でも対応してくれると思ったのか、3人の男の人が近づいてきた。
「おとぎの国にでも行くんですか?」
「お、おとぎの国だなんて……ははは」
その一言でナンパだと分かった私は、乾いた笑いしか出てこなかった。
中心にいた人が私に声を掛け、逃げようとも思っていないが、他2人が両サイドを固めてきた。
普通の恰好してる時は絶対声なんてかけてこないくせに。あと私が準備した場合か。
これ凄いの美容室の技術のおかげだし。
っていうか、明らかにこの場にあわない恰好してるんだから用事あるって察してくれないかな。
「いきなりなんだけど連絡先教えてよ! 今日は忙しそうだから今度ご飯食べに行こう?」
「うーん、いいですよ。その代わり目立つので交換したらすぐ離れてもらえますか?」
「お、ラッキー! いいよ、彼氏に見つかったらまずいもんね」
彼氏じゃないんだけどね……。
とりあえず今邪魔なので交換するだけして、返事をしなければいいやと思い同意した。
カバンの中に手を突っ込んで携帯を取り出そうとするが……。
そうだった、忘れてきちゃってたんだ。
「……ごめんなさい、携帯忘れちゃって」
「えー、うっそだー! 携帯忘れるなんてことある?」
男の人は私のカバンの中を覗く。
財布と小物が入っている程度なので隠そうとしないが、女性のカバンを覗くのは失礼極まりないと思う。
「んー、じゃあ携番教えてよ!」
「すみません、わかりました。いつ家帰れるかわからないんですけど、帰ったら登録しておきますね」
カバンに入っていないのを確認すると、携番を聞いてきたので教える。
どうせしばらく家に帰る予定はないので、教えても問題はない。
教え終わったタイミングで男の後ろからクロロの声がした。
「楽しそうなことしてるじゃないか?」
「や、道聞いてただけっすよ。ありがとうございました」
男達3人はそれを確認すると、驚くほど自然に去って行った。
ナンパが上手い人は去るのも上手いらしい。
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ぱるむ - 更新を待ってます。どうかよろしくお願いします!! (2020年7月29日 9時) (レス) id: 0d1397699c (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - Kさん» ありがとうございます!久々の更新となってしまってすみません……。少しずつでもちゃんと進めていくのでこれからもよろしくお願いします! (2020年3月26日 21時) (レス) id: 7b9e53fa76 (このIDを非表示/違反報告)
K(プロフ) - とても面白いです!クロロとの関係とかこれからどうなっていくのかなどめっちゃ気になります!これからも更新がんばって下さい!!応援してます! (2020年3月16日 9時) (レス) id: 2e3805e445 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - ぱるむさん» コメントありがとうございます!このままゆるっと進めつつ、2人の駆け引きとか上手く掛けたらいいなと思ってます!恋愛初心者で変なところもあるかもしれませんが、これからもよろしくお願いします! (2019年12月30日 11時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
ぱるむ - すごく面白いです!!!こんな感じのクロロの小説を求めていたので、続きがすっごく楽しみです!!更新頑張ってください!! (2019年12月23日 9時) (レス) id: 0d1397699c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジユウジン | 作成日時:2019年11月20日 13時