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_第26話_ ページ26

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 目が覚めた時には、また本のたくさんある部屋にいた。



「起きたか」
「クロロ……」



 その部屋にはクロロがいた。
 いつかの時のように椅子に座って本を読んでいる。
 目もこちらに向けていないのになぜわかったのだろうか。

 気を失う前までの記憶を思い返し、せっかく作ってもらったものを無駄にしてしまったことを思い出した。


 私、気を失ってばっかりだな……。



「強くなりたい……」



 心の中で言ったつもりだったのだが、声に出てしまい、クロロに聞かれてしまった。
 クロロは本を閉じて椅子からベッド脇に来る。



「俺の傍にいれば自然と強くなる。お前は世間知らずだから覚えることはたくさんあるが、教えてほしいことはちゃんと教える。だから今回のように、全てのことにおいて無理をするな。何度も倒れられても困るしな」
「でも……」
「ホントその通りだぜ。今回のはクソみたいな理由だしよ」



 部屋に新しく人が入ってきた。
 それはノブナガで、手に何かを持っている。
 クロロの横に立ち、持っていたお椀を私に突き出した。



「一気に飲むなよ。いくら汁物でもいきなり入れたらまた吐くかもだからな」
「ノブナガ……ごめんなさい」
「いいって」
「ノブナガが作ったの?」
「そうだ。いいから飲んで黙っとけ」



 ノブナガに促されるようにお椀を傾けた。
 熱いものが口に触れる。



「ッつ!」
「ばっか、冷ませよ!貸せ」



 ノブナガは私からお椀を取り上げると、スプーンに乗ったスープにフーフーっと息を吹きかける。
 しばらくしてそのスプーンを私の口元に運んできた。
 口を開ければ中に暖かいものが流れ込んでくる。
 スープは喉を通りお腹へと入っていく。
 一口しか飲んでいないのに、体の内側から暖かくなっていくのを感じた。



「うまいか?」
「……わかんない」
「おい」



 初めての味で、初めての感覚で、何かが込み上げてきた。
 胃液ではなく、それは目に段々と集まってくる。
 そして零れた。



「あれ、目が見えな……なんでだろ」
「そうかよ」



 困っているのだが、クロロもノブナガも助けてくれない。
 出てくる水をひたすらに拭い続けたら、次第に出なくなる。
 自分が泣いたということを自覚したのはもう少し後だった。


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ジユウジン(プロフ) - かかかっかさん» お待たせしました! 実はこの先どう話をつなげようか全く思いついておらず……笑 少しずつでも進めていきますので、続編でもよろしくお願いします! (2020年11月23日 22時) (レス) id: 7b9e53fa76 (このIDを非表示/違反報告)
かかかっか - 今日更新日じゃあないですかあぁーーなんて奇跡! (2020年11月23日 13時) (レス) id: be021bd9b1 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - なつみかんさん» コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けたのは初めてで嬉しいです…!私も今後書けるのが楽しみで、早く更新していきますね!体調崩せばゆっくりできるので更新できるのでは…と考えてしまいました笑 なつみかんさんもお気を付けください! (2020年2月13日 0時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん(プロフ) - かわいい...優しい気持ちになれて素敵な小説です、タイトルや種族のところを考えるとなんだか不穏ですが、それも楽しみにして更新待ってます!作者さんお身体には気をつけてくださいね! (2020年2月12日 15時) (レス) id: a4479fa504 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - うらららリンゴさん» コメントありがとうございます!クラピカや主人公組……というより原作に入るまでまだまだ時間がかかりそうなのでしばらく出てこないかもしれません……。そこまで進んだ時には、ご期待に応えられるよう頑張りますので今後ともよろしくお願いします! (2019年12月15日 9時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ジユウジン | 作成日時:2019年11月14日 17時

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