_第12話_ ページ12
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「"ギャクタイ"されていたのか?」
「ぎゃく、たい?」
「……質問を変えよう。どういうことをされていた?」
“ギャクタイ”というものにピンと来ず、頭を傾けていると言い方を変えてくれた。
私は正直にすべて話そうと思ったが、また化け物と呼ばれることを恐れ、今までの事をどう話せばいいか迷ってしまった。
その結果、クロロからの質問に答えられなかった。
◇
少女は質問に答えず俯いた。思い出したくない事なんだろう。
仕方なく、聞かない代わりに少女が今も抱えている本を奪い取った。
「え、あ! ちょっと、返すです!」
「A、1982年10月21日産まれ……その体で12だと?」
本の1ページ目には生まれた時の大きさ、体重などの情報が書かれていた。
俺は立ち上がったままページを捲る。
少女はぴょんぴょん飛んだりして取り返そうとするが、身長的にまったく届きそうはない。
10月21日、今日やっとAに会えた。絶対にこの子を幸せにする。10月22日、今日はたくさん泣かせてしまった。早く一人前の母親になりたい。10月23日、今日は周りの人たちが手伝ってくれた。笑顔がとてもかわいかった。10月24日、今日も笑顔が見れた。私の指をぎゅっと握って微笑んでくれた。10月25日、今日はよく眠っていた。小さな寝息がとてもかわいらしかった。
……母親の日記か?
俺はその先は読まず、適当にペラペラとページを捲っていった。
すると、ページが2、3ページほど破られているところで日記は終わっていた。
一つ前のページは初めと何も変わらない、他愛もないことが書かれている。
少女は取り返すのを諦めて、俺の服を掴んでジッと見つめていた。
「お前、姉妹とかいたのか?」
「いないです」
「それは確かか?」
「はい。ほとんどいえにいて、親とよばれるひといがい、家族はみたことないです」
「……そうか」
俺は本を返し、少女を抱っこしてベットに向かう。
少女は本を受け取ると、俺の様子を窺う目を向けながら大人しく運ばれていた。
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ジユウジン(プロフ) - かかかっかさん» お待たせしました! 実はこの先どう話をつなげようか全く思いついておらず……笑 少しずつでも進めていきますので、続編でもよろしくお願いします! (2020年11月23日 22時) (レス) id: 7b9e53fa76 (このIDを非表示/違反報告)
かかかっか - 今日更新日じゃあないですかあぁーーなんて奇跡! (2020年11月23日 13時) (レス) id: be021bd9b1 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - なつみかんさん» コメントありがとうございます!そんな風に言って頂けたのは初めてで嬉しいです…!私も今後書けるのが楽しみで、早く更新していきますね!体調崩せばゆっくりできるので更新できるのでは…と考えてしまいました笑 なつみかんさんもお気を付けください! (2020年2月13日 0時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
なつみかん(プロフ) - かわいい...優しい気持ちになれて素敵な小説です、タイトルや種族のところを考えるとなんだか不穏ですが、それも楽しみにして更新待ってます!作者さんお身体には気をつけてくださいね! (2020年2月12日 15時) (レス) id: a4479fa504 (このIDを非表示/違反報告)
ジユウジン(プロフ) - うらららリンゴさん» コメントありがとうございます!クラピカや主人公組……というより原作に入るまでまだまだ時間がかかりそうなのでしばらく出てこないかもしれません……。そこまで進んだ時には、ご期待に応えられるよう頑張りますので今後ともよろしくお願いします! (2019年12月15日 9時) (レス) id: 9a91ee94b5 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ジユウジン | 作成日時:2019年11月14日 17時