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標的0 似て非なる君と僕 ページ2

雲雀「………」

僕の膝の上で気持ちよさそうに眠る少女の髪を撫でれば、夕陽に当てられた蜂蜜色の金髪がキラキラと輝いた。
彼女の名前は“A”。日本に留学しているイタリア人で、並盛中学校の「高嶺の花」と“呼ばれていた”──何故過去形なのかって?そんなの簡単……僕が彼女を手に入れたことによって、彼女は「高嶺の花」ではなくなったからだ。
手に入れるのに苦労したなぁと思い出に浸っていたら、Aが「ん…」と身を捩って、閉じていた瞼をゆっくり開いた。鮮やかなブルーの瞳が僕の姿を捉えると、Aは大きな瞳を数回瞬かせた。

『きょ…恭弥さん…?』

雲雀「おはよう」

『……私…寝てた…?』

雲雀「うん。寝てた」

Aは寝ぼけ眼を擦りながら「起こしてくれればいいのに」とあくびを噛み殺して起き上がった。「まだ眠いなら寝てていいよ」と自分の膝を叩けば、Aは「いいえ。これ以上、恭弥さんのお膝をお借りするわけにはいきません」とキリッとした表情を見せた。「そろそろ委員達が“雲雀さん”の元へ、定例報告にやってきますね」と、完全に仕事モードに入ったAに、僕はわざとらしく肩を竦めて「じゃあ、交代ね」と、Aの膝に頭を預けて寝転がる。

『寝るんですか?』

雲雀「少しね」

『でも、委員達が来ますよ』

雲雀「“今の時間”、応接室に勝手に入ってくる者はいないよ。だから気にする必要はない」

『そうですか……でしたら、クッション用意しますね』

雲雀「必要ない」

『え……でも、私の膝の上じゃ寝心地悪くないですか?クッションの方が絶対眠れますよ』

雲雀「そんなことはないよ」

僕は群れるのが嫌いだ。そんな僕が特定の女をそばにおいているなんて、昔の僕が見たら驚くだろう。
自嘲的な笑みを浮かべれば、Aが「どうかしました?」と首を傾げて、僕の髪を撫でた。

雲雀「別に…なんでもないよ」

Aの隣は落ち着く……彼女が纏う陽だまりのようなあたたかい空気は嫌いじゃない。

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作者名:セシル | 作成日時:2019年12月5日 8時

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