FILE.106 ルチルが導く家路 ページ7
車軸が破壊され、中央の車軸から外れたノースホイールは度台に落下して、すさまじい土煙を上げた。土台化に落下した観覧車のホイールがゆっくりと回転して進み出す。ホイールが進む道は、水族館へと一直線に延びている──信じられない状況に目を丸くせざるを得ない。
転がるホイールを追うように駆け出す工藤君を見つけた零さんは「Aはここを出て、安全なところへ避難していろ」と言って、工藤君の事を追いかけていった。
『──これ以上……私に出来ることはない…か……』
私は零さんに言われた通り、サウスホイールから脱出する。私が脱出し、樹木の陰に身を潜めていると、転がっていたノースホイールが完全に止まったことが確認できた。
『すごい……本当にあの巨大な観覧車を止めるなんて……』
その後、電気が復旧した東都水族館には、何十台ものパトカー、救急車、そして消防車が駆けつけた。上空には警察のヘリコプターが飛び、海上にも警察の船舶が泊まっている。
警察が多数動いているため、無闇に動けない。だから私は、零さんが来るのを樹木の陰に身を潜めたまま待つ。すると、私の元へやってきたのは零さんではなく、傷だらけになった赤井さんだった。
『──酷いなりね』
赤井「お前も、人のこと言えた義理じゃないぞ」
『そう？まあ……お互い大変だったってことよね』
赤井「そうだな。お前は組織に対して、反逆行為を行ったんだからな」
バカにしたような口調の赤井さんに、私は鼻で笑って言葉を返す。
『言ったでしょ？反抗期って……貴方達の仲間になったわけじゃないから』
赤井「必死だな……それより、具合はいいのか？」
『……徐々に熱がぶり返してきてる感じ……早く、零さんと合流しないとね』
その時、ゴンドラに乗っていた客達と一緒に、観覧車を降りてきたであろう零さんの姿を見つけた。私は樹木の陰から飛び出し、零さんの元へ駆け寄る。
零さんと赤井さんは一瞬目を合わせると、零さんは私の肩を抱いて、係員に誘導される他の客達と同じ方向へ歩き、赤井さんは木立の中に去っていった。
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ラブリー - タイトルに惹かれたので見に来たら最初からページがなくてみれないです🥲 (12月2日 17時) (
レス) id: 0fb8342324 (このIDを非表示/違反報告)
しおらん(プロフ) - 凄くいいです!!安室かっこいいです！ジンも好きなので色々と複雑ですね…。ゼロの日常も混ざっていて凄く最高でした！続き楽しみにしています！ (2020年5月21日 0時) (レス) id: 7c779db0ef (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：セシル
| 作成日時：2019年2月21日 8時
