狂い咲いた、彼岸花【FEH】 (ページ1)

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開幕ページ1

「究極の選択」と言う言葉すら、生温い。

人生で初めて、心からそう思った。

『・・・そちらの条件は？』

「・・・嬢ちゃんだけこっちに来な。教えてやるよ」

震える足を無理矢理無視して、男の方へ歩く。

『・・・来たけど。で、条件は？』

男が、わざとらしく私の耳元に厚ぼったい唇を近づける。

「おう、条件は、――――――」

『・・・っ』

ゾッとした。

『・・・解った。少し、時間を貰える？考えるから』

「良いだろう。答えが決まったら嬢ちゃんだけでここに来い。
いい返事(・・・・)、期待してるぜ？」

その言葉に返事はせず、踵を返して、皆の元へ戻った。

「Aさん！大丈夫？
・・・それで、“条件”、何て・・・」

『・・・大丈夫。カムイは気にしないで？
さ、一旦休戦、帰ろ』

「え、あ、うん・・・」

ちらっと振り向くと、にやりと笑う男と目があった。

吐き気を、覚えた。

「究極の選択」なんて、これよりよっぽどましなはずだ・・・