孤高のアネモネ【HokutoMatsumura】 (ページ36)

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違和感ページ36

北斗に連絡するとこれから買い物するところみたいで
家の近くのスーパーで落ち合うことにした。

スーパーが見えてくると、
壁に寄りかかってスマホ片手にイヤホンをした北斗が見えた。

道ゆく女の子たちが通りすがりにチラチラ振り返る。

毎日のように会ってるからか、慣れてしまったけれど
改めて見ると本当に綺麗な顔をしてると思う。

黙ってても色気だだ漏れだし。

"ねぇねぇあの人睦石の人だよね？"
"あの人もしかして爆モテ軍団の1人じゃない？"
"絶対そう！あたし去年中等部の文化祭で見たもん！"

あたしの横を通った女の子たちがそう話すのを聞いて
あの6人が爆モテ軍団と呼ばれてる事に驚く。

私服もお洒落で制服姿とは違うインテリとのギャップで
北斗は特にモテるのかも知れない。

「北斗～」

北斗の目の前まで行くと、
北斗はイヤホンを外して「おう」と言い
「さっさと買って家いこーぜ」と1人店内へ入って行った。

「北斗、一味なら家にあるよ」

北「んー、多分俺使い切っちゃうから」

「え、そんなかけるの…？」

北「引くなよ笑」

辛党な北斗に若干引きながら、一味を2本カゴに入れた。

北「一本でいいよ」

「今日は良くても次からの分がいるでしょ？」

そう言うと、北斗は少し照れたように
「そう言う事さらっと言うなよ」と言って顔を背けた。

結局飲み物にお菓子、調味料やら追加のお肉を
たくさん買い込み大きな袋が３つにもなって
それを全部北斗が持とうとするから、慌てて
「北斗、あたしも持つから！」と1袋奪い取った。

スーパーを出て家まで歩いていると、
後ろから「あの！」と女の子たちに声をかけられた。

「松村くん…ですよね？あの、お話…いいですか？」

北「…今急いでるんだけど」

「そんなにお時間取らせませんので…！」

北「……」

女の子4、5人のグループは
あたしを除けるように北斗を囲むと
あたしに鋭い視線を投げる。

若干迷惑そうだけど、ちゃんと話を聞いてあげる北斗。

女の子たちに囲まれる北斗を見て
あたしはなぜが胸がぎゅっと締め付けられた。

"せっかく2人だけだったのに…"

「みんな待ってるし先行っとくねー」

絶対聞こえてないと思うけど、
一応そう言ってあたしは一人歩き出した。

それが間違いだったと
すぐに思い知らされるのも知らずに。