熱 ページ17
北斗のせいで熱い体を手で仰ぎながら応援席に戻ると、
慎太郎が100m走からちょうど戻ってきていた。
慎「あ！緋織！うわ〜緋織もだからね！ほんっとに！」
「え？何が？」
慎「俺！一位取ってきたんですけど！見てた人挙手！」
・・・・。
ジ「AHAHAHAHAHA！！！」
「慎ちゃん！次はちゃんと応援するよ！！！」
慎「こんな時だけ慎ちゃん呼びとか、小悪魔め！」
慎太郎を中心に騒いでいると、
きょもがあたしの肩をトントン、と指でつついた。
「ん？どうしたの？」
き「緋織、顔が赤いけどどうしたの？」
きょもの言葉でみんなが一斉にあたしを見た。
樹「ほーん？さては…北斗だな？」
高「あーなるほど…北斗のせいか」
き「うん、多分、てか北斗だよね」
「もう、なんなの北斗北斗って！」
高「あれ？これはもしかしたりする？」
樹「ここにも鈍感がいたかー」
き「緋織はかわいいね」
「〜〜〜〜〜！！！！」
ジ「あ！緋織！北斗出るよ！！」
慎「みんなと違って俺はちゃん応援するもんねー！」
お騒がせコンビの声に助けられて
あたしは2人の方へ逃げる。
背中から3人の視線をバンバン感じだけど、
まあそれは無視で。
北斗北斗ってうるさいんだもん。
意味わかんない。
さっきの北斗を思い出したら
また顔が熱くなるのを感じて、横に顔をぶんぶん振った。
なんなの、ほんと。
そんな変な違和感を感じてたのも一瞬で。
200m走の予選が行われた後、
学年で2クラスずつ出る決勝戦で
北斗がぶっちぎりの1位を取った時は
みんなとあたしは大盛り上がりだった。
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作者名：hiori | 作成日時：2019年10月3日 2時
