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「…先生はなんて…？」
私は龍兄が何を言ったのか気になり彼に問いかけると彼はフッと乾いたように笑った。
ト「私の歌には…ハートがないそうです」
「！」
ト「楽譜通りに歌えていてもハートがないからあの点数になったそうです。
私に比べて見れば技術や経験はまだまだだが私と同室の音也の方が断然よかった…と」
確かにトキヤくんは技術面では芸能界でも上位にくる人物で私が提供した曲、『七色のコンパス』も彼のお陰でヒット作品になった。
あの曲には少なくとも彼自身のハートがあった筈と思っている。
でも…テスト曲での彼の歌声には迷いがあって龍兄はそこを見抜いたのだろう。
ト「私は今、自分自身がわからないんです。
歌いたいはずなのに思うように歌えない…
日向先生はそこに気がついたのでしょうね。
だから指摘されても何も言い返せませんでした。
技術力や経験は私の方が上だとわかっているのに音也には生まれ持った才能がある。
人を惹きつける彼の個性。
私は彼のようになんてなれません。
だから…彼のあの才能が…
＿＿＿＿私には羨ましい。
…カッコ悪いでしょう？
私は…そういう人間なんです…」
そう言って悲しく笑う彼。
その今にも壊れてしまいそうなトキヤくんの姿に私は持っていたヴァイオリンを地面に置いてゆっくりと彼に近づきながら首を振った。
「違う…！！そんな事ない…っ…！！
カッコ悪いだなんて言わないでください！
……確かに才能って人それぞれですけど
でもそれって結局は自分の力で開花させるものなんじゃないんですか！？」
ト「…！」
私がこんな事を言うとは思わなかったのか、彼は目を見開いて驚く様子がわかったがそれでも私は言葉を続ける。
彼に伝える為に。
「一ノ瀬さんのテスト曲、聞きました。
あそこまでの仕上がりをあんな短期間に完成させてしまうなんて普通ならあり得ません。
貴方の歌声には貴方にしか作れない音楽があります！
あの技術や経験は一ノ瀬さんにとってプラスなことなんですよ…？
なのに…何故それを否定するんですか？」
彼の近くまでくると私は彼が力強く握っている片手の拳をそっと私の両手で覆う。
「貴方自身が努力して手に入れたものを…
積み上げてきた経験を
お願いです…否定しないで…っ…」
どうか、貴方に届きますように。
気がつけば私の目からは涙が溢れていた。
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†NANA†(プロフ) - ページ35で、主人公の名前がちゃんと変換されてない箇所があります。 (2021年2月1日 11時) (
レス) id: 9dc612bbe9 (このIDを非表示/違反報告)
理空(プロフ) - かにゃぽむさん» かにゃぽむさんコメントありがとうございます♪面白いって言って頂けて私とてもテンション上がりました！！←しかも一気読みしてくださったなんて嬉しすぎます！！シャニライフレンド申請承認しました♪一緒に盛り上げていきましょー！！ (2019年9月12日 21時) (レス) id: 4e8c723c08 (このIDを非表示/違反報告)
理空(プロフ) - 白猫さん» 白猫さんコメントありがとうございます！そして返信遅くなってしまい申し訳ございません(T ^ T)一区切りついたらまた更新しますのでお楽しみに♪待っててくださいねー！ (2019年9月12日 21時) (レス) id: 4e8c723c08 (このIDを非表示/違反報告)
かにゃぽむ(プロフ) - それと、私もシャニライやってまして、誠に勝手ながらかにゃぽむでフレンド申請させて頂きました！よければ、承認お願いします！ (2019年9月8日 19時) (レス) id: 0406d49eb9 (このIDを非表示/違反報告)
かにゃぽむ(プロフ) - 理空さんの小説めっちゃ面白いです！1日前に見つけたんですけど、引き込まれすぎて、もう追いついちゃいました！焦らなくても大丈夫ですが、更新楽しみに待ってます！ (2019年9月8日 19時) (レス) id: 0406d49eb9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：理空 | 作成日時：2019年6月22日 14時
