愛される天才少女4【うたプリ】

番外編〈来栖兄弟〉 ページ44

あれは私が13歳の時だった。






あの日は翔ちゃんと遊ぶ約束をしていたのでショッピングモールで待ち合わせをしていた。
翔ちゃんの地元は愛知県なのでお父さんは心配してついて来ようとしていたが仕事もあるだろうからと断った。






そして私は今、愛知県にいます。





「新幹線できたのはいいけど…
ショッピングモールってどこにあるんだろう？」





携帯で検索しながら歩いていき、なんとか目的地の近くまでいくと翔ちゃんの姿があった。
慌てて走って行くと彼は私に気づいたようで向かって手を振ってくれた。





翔「Aー！こっちこっち！」



「遅くなってすみません…ん？」





近くまで行くと翔ちゃん…と翔ちゃんにそっくりな男の子が隣にいた。





「翔ちゃんの隣にいる人は…？」




翔「あーこいつは俺の双子の弟で」




薫「来栖薫です。
あなたが早乙女Aですか？」




「え、はい」





そう言うと薫さんは私を思いっきり睨みつけながら驚きの発言をした。






薫「単刀直入にいいます。


翔ちゃんをたぶらかすのはやめて下さい！」





「……へ？」








たぶらかす？！
えっ、えぇぇぇ？？？！





私は言葉を失っていたが薫さんはそんな事も気にせずに発言を続けた。






薫「翔ちゃんが話をする時必ず貴方の名前を出すんです！それも嬉しそうにっ！
電話かけてるのも貴方とだって言うし！


ずるい！！！！！


翔ちゃんは僕の兄弟なのにっ！！」






薫さんは途中から興奮してきたせいか敬語が抜けていた。


これは相当怒っていると見られる…






私は戸惑っていると翔ちゃんが私の前に立ちため息をつきながら薫さんと向き合う。





翔「薫っ！Aを困らせんな！
それに怒ってる意味がわからねぇ！！」



薫「どいて翔ちゃん！
この人に言わなきゃいけない事はまだたくさんあるんだから！！」



翔「お前何しについてきたんだよ…
それにこいつは遠くからわざわざ来てくれたんだぞ？」



薫「この人から翔ちゃんを守るためにきたんだよ！



文句の一つ二つ三つ四つ…」




翔「多いわっ！！」








この後も翔ちゃんのツッコミがしばらく続いた。

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