21 小太郎視点 ページ22
「もうやだよコタ…」
「お、落ち着いてください鶴宮君。
その…えっと…」
「言葉浮かばないなら無理に慰めようとしないで逆に心痛むから」
「は、はい」
目の前でボクに愚痴をこぼしているのは同じクラスの鶴宮君。
知り合いが自分のことが好きで、その愛情が異常だから悩んでいるとのことです。
…好き同士じゃない恋は嫌いです。
逆に、好き同士ならボクはそれでいいと思います。
年齢差があっても、暴力があっても、利用関係があっても、両依存でも、
もちろん、その二人が同性だとしても。
その間にきちんとした恋愛感情があればいいと思います。
でも、鶴宮君はそうじゃないみたいで。
というか鶴宮君からの恋愛感情は持てないみたいで。
「そうだ、鶴宮君!
相手のいいところを探してみるのはどうでしょう?」
「いいところ?
えーっと、頭がよくて運動もできて顔もよくて…」
「その調子です!」
「あとは…あ、好き嫌いはないって言ってた。
家事もできるって言ってたし…
あーでもアイツ金銭感覚バグってるから絶対ヤダ」
「…」
仲いいんですね。
「鶴宮君って嫌いな食べ物ありましたっけ?」
「チョコアレルギー」
「あぁ…
でも家事が出来て頭いい人っていいんじゃないんですか?
顔もいいんですよね?」
大抵の好みには遭ってると思うけど…
というか、誰だろう?
女の子とあんまり話さないし顔も見えないから分からないんだよなぁ…
後で跳野君に聞いてみよう。
「俺はもーちょっと大人しいのがいい。
つーか、あいつ結構控えめって言われてるけどどこがだよ!
日ごろの俺との会話見ろよ!どこが控えめで前に出ないんだよ目立ってるわバーカ!」
「落ち着いてください、鶴宮君!
それだけいいところが見つかっているなら大丈夫ですよ!」
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作者名:future*show | 作者ホームページ:
作成日時:2021年8月4日 17時