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「いらっしゃいま…あ、青にーちゃん!」

「久しぶり」

「青さん、お久しぶりです。
 小太郎にいさんに何か用事ですか?」

「いや、今日は買い物だけ」

 この子たちは小太郎の弟。
僕のことをにーちゃんと呼ぶ元気な子は眞弥(まや)。
中学二年生で、サッカー部に入っている。
対して、礼儀正しい方の子は卯妙(うたえ)。
小学五年生。小太郎と一緒で母親似なので、小太郎にとても似ている。

「にーちゃん、青にーちゃん来たぞー!」

「ちょっと待って、引っ張らないで眞弥…
 跳野君、いらっしゃいませ」

 奥からエプロン姿の小太郎が出てくる。可愛い。
後ろ手でロボットを操縦する。
そろそろ木村がロボットを見つけるころだ。
その時に足を包丁で刺してやる。

「今日は何を買うんですか?」

「にーちゃん、青にーちゃんいっつも同じの買うだろ?」

「青さん、薔薇ならこっちですよ」

 僕はいつも黒い薔薇を24本花束にしてもらっている。
植物の知識はピカイチな小太郎だが、見えなくては意味がない。
でもそれでいい。これは僕の自己満足なんだから。
黒い薔薇の花言葉は「決して滅びることのない愛」、または「永遠の愛」。
24本の薔薇の意味は「1日中思っています」。
気付きさえすれば僕の気持ちが分かる。
…それに、黒い薔薇のもう一つの花言葉は…

「はい、できましたよ」

「ありがとう、卯妙」

「せっかくだから青にーちゃん晩御飯食べてってよー!
 なんならお泊りして!」

「ま、眞弥!」

 いつもだったら喜んで了承していたところだが。
ロボットで木村の足を刺しながら答える。

「両親の晩御飯を準備しておかないといけないから。
 用意してから来ればよかったな…」

「じゃあオレらも手伝う!それでお泊りしよ!」

 予想通りだ。

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作者名:future*show | 作者ホームページ:   
作成日時:2021年8月4日 17時

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