11 ページ12
「いらっしゃいま…あ、青にーちゃん!」
「久しぶり」
「青さん、お久しぶりです。
小太郎にいさんに何か用事ですか?」
「いや、今日は買い物だけ」
この子たちは小太郎の弟。
僕のことをにーちゃんと呼ぶ元気な子は眞弥(まや)。
中学二年生で、サッカー部に入っている。
対して、礼儀正しい方の子は卯妙(うたえ)。
小学五年生。小太郎と一緒で母親似なので、小太郎にとても似ている。
「にーちゃん、青にーちゃん来たぞー!」
「ちょっと待って、引っ張らないで眞弥…
跳野君、いらっしゃいませ」
奥からエプロン姿の小太郎が出てくる。可愛い。
後ろ手でロボットを操縦する。
そろそろ木村がロボットを見つけるころだ。
その時に足を包丁で刺してやる。
「今日は何を買うんですか?」
「にーちゃん、青にーちゃんいっつも同じの買うだろ?」
「青さん、薔薇ならこっちですよ」
僕はいつも黒い薔薇を24本花束にしてもらっている。
植物の知識はピカイチな小太郎だが、見えなくては意味がない。
でもそれでいい。これは僕の自己満足なんだから。
黒い薔薇の花言葉は「決して滅びることのない愛」、または「永遠の愛」。
24本の薔薇の意味は「1日中思っています」。
気付きさえすれば僕の気持ちが分かる。
…それに、黒い薔薇のもう一つの花言葉は…
「はい、できましたよ」
「ありがとう、卯妙」
「せっかくだから青にーちゃん晩御飯食べてってよー!
なんならお泊りして!」
「ま、眞弥!」
いつもだったら喜んで了承していたところだが。
ロボットで木村の足を刺しながら答える。
「両親の晩御飯を準備しておかないといけないから。
用意してから来ればよかったな…」
「じゃあオレらも手伝う!それでお泊りしよ!」
予想通りだ。
1人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「ヤンデレ」関連の作品
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:future*show | 作者ホームページ:
作成日時:2021年8月4日 17時