私の彼氏は闇金くん ( BTS )

闇金くん(24) ページ25

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「……ひどいよ」


溢れた涙で視界が滲んでいく。

叩かれた頬より胸の方が痛くて、苦しくて、立っていられない。

お金が散乱した地面にそのまま崩れ落ちた私。

でも、座ることも許さないのか。腕を掴まれ壁に押し付けられた。

壁に両手を付いたテヒョンは 私を見下ろしながら、


「おまえみたいな馬鹿 どこにもいない」


吐き捨てるようにそう言った。


やっと声 聞けたのに……。


結局 そんな言葉しかくれないんだね。


悔しくて悔しくて、頭がぐちゃぐちゃになりながら心の内を吐き出していく。


「私が毎日どんな気持ちでいたか、テヒョンには分からないでしょ」

「分からない」

「……そうだよね」


だからこんな酷い仕打ちが出来るんだ。


「お金 頑張って稼いできて 何が悪いって言うの」


そう叫ぶように言って、ショルダーバッグに残っていた札束を握りしめ、投げつけた。

無表情のまま、ヒラヒラと落ちていく札に目線だけ移すテヒョン。


「……Aは分かってるんだよね？この金がどういう金か」

「っ、そんなのどうだっていいじゃん。どういう金か なんて関係ないよね」

「受け取ったら最後だよ。ヤクザがどうやって女を依存させると思う？ヤクだよ。ヤク。薬漬けにされて、最悪死ぬことになるけど。それでも どうだっていい？」

「……いいよ。もう、どうだって……死んだって。テヒョンにとってもその方が都合いいでしょ」



そう言葉にした時、振り上げられた拳に気付いた。

なんとなく頭の中に死がよぎる。

どうせ死ぬならテヒョンに殴られて死ぬ方がいい。

だから目を瞑って 避けなかった。


でも……。

伝わってきたのは鈍い音だけで、痛みは無くて、


「俺は守りたかった」


その言葉だけが耳元に落ちてきた。









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