. ページ21
｢ふぅ...｣
あれからジョングクさんとは
全然話せずに帰宅してしまった。
包帯が巻かれた人差し指をながめる。
行かなきゃよかった。
確かに、メンバーの皆さんとは沢山話せて
距離も縮まった気がするから良かったかもしれない。
でも、絶対にまたジョングクさんに
変なストレスを与えてしまったに違いなくて
私は何をしてるんだろうとため息が止まらなかった。
部屋の外に出る気になれないでいると
コンコン、とノックをする音。
NJ｢今いいですか？｣
この声は、ナムジュンさん？
ドアを開けると
エクボを作って微笑むナムジュンさんがいた。
NJ｢今日は怖い思いをさせてしまってすみませんでした｣
｢私のほうこそ、迷惑をかけてしまって｣
貴重なお休みだったのに
微妙な空気にさせてしまって申し訳ない気持ち。
NJ｢彼は、そのジョングギはとても不器用で｣
｢はい｣
NJ｢悪気はないと思うんです｣
｢はい、分かっています｣
NJ｢ただ、人の痛みに少し鈍くて｣
｢はい、その分 自分の痛みにも鈍い｣
ナムジュンさんは驚いたように私を見る。
｢あ、ごめんなさい知ったような事を...｣
NJ｢違うんです、...驚いたな｣
｢え？｣
NJ｢ジョングギは強そうに見えませんか？
見た目もそうだけど タフというか、やんちゃと言うんでしょうか｣
でも、とナムジュンさんは続ける。
NJ｢本当はまだ、23歳なんですよ
普通のことを一切経験してない23歳｣
｢普通のこと..｣
NJ｢とにかく、悪気はないと思うので
許してあげて下さい｣
｢許すなんて、そんな..｣
NJ｢テヒョンアがあなたを受け入れた理由が分かるな｣
｢..え？｣
NJ｢テヒョンアって人懐っこいけど、
あれ 誰にでも見せる訳じゃないんですよ｣
｢そう...なんですか？｣
NJ｢昔こそ、誰でもだったけど、
それで彼も傷ついたり 失ったものが多いから...
まぁ、芸能人っていう自覚がついてからは
きちんと人を見てますよ、テヒョンアも｣
そんな一面がテヒョンにあったなんて...。
NJ｢僕もまた、相談に来ていいですか｣
｢も、もちろんです！｣
NJ｢Aさんが来てくれてよかった｣
｢私は...なにも｣
NJ｢僕は、防弾少年団のリーダーですよ？笑｣
彼が最後に残した言葉の意味は分からなかった。
朝目覚めて 部屋を出ると
扉の外に、
｢ごめんなさい｣と書かれた紙と
絆創膏が置いてあった。
不器用な、ひと。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1700人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「BTS」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
jia(プロフ) - veritatislさん» veritatislさんコメントありがとうございます！ああ、、、嬉しいです；；これからも楽しんでいただけるよう頑張ります！ (2020年6月15日 0時) (
レス) id: 9d35c7af12 (このIDを非表示/違反報告)
veritatisl(プロフ) - 主さん素晴らしすぎます。楽しく読ませていただいています…！ (2020年6月7日 23時) (レス) id: 243eef421f (このIDを非表示/違反報告)
jia(プロフ) - hanalieさん» hanalieさんコメントありがとうございます！前作から見て頂けていたなんて、、本当にありがとうございます；；これからも宜しくお願い致します！ (2020年6月7日 22時) (レス) id: 9d35c7af12 (このIDを非表示/違反報告)
hanalie(プロフ) - ジョングクの不器用さが愛おしいです。jiaさんの表現がとても好きです。前作また最初から読み返したりして浸ってます。このお話も楽しみしていますね^^* (2020年6月3日 23時) (レス) id: b7b4fd9cd2 (このIDを非表示/違反報告)
jia(プロフ) - みいなさん» みいなさんコメントありがとうございます！前作に続き見てくださり本当にありがとうございます！！とても嬉しいです！これからもぜひ宜しくお願いします；；；； (2020年6月1日 0時) (レス) id: 9d35c7af12 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：jia
| 作成日時：2020年5月26日 13時
