7’キウイピューレ ページ7
降谷side
不規則な呼吸
目を瞑り、辛そうに眉を寄せるAに変わってやれれば良いのに、と車をとばす
マンションの駐車場に到着し、A側のドアを引いて呼び掛ける
『ん...ついた...?』
上手く回らない呂律のまま自力で車を降り、歩き出そうとしたものだから膝の裏と背中に手を回し、横抱きにして抱え上げた
伝わる体温が熱い
「もうすぐ着くから」と呟いてエレベーターに乗り込む
雑に開いた玄関扉からAの部屋へ直行し、そっとベッドに寝かせた
取り合えず薬と冷却シートを持って来ようと踵を返した時
Aのスマホが場違いな程高い音で着信音が鳴り響く
流石にAのだし、出る訳にもいかないと再び部屋を出ようとしたタイミングで切れる音
だが直ぐ様掛けられてきた着信音に急用だろうかと不審に思いつつ、かれこれそんな状態が2、3回続く
こんな煩ければAも寝れないだろうと電源を落とそうとしてスマホを持ち上げる
開かれた画面にでかでかと表示された相手の名前
「...__松田?」
何で松田がAに...何か急用なのか
「A、松田から電話入ってる」
声をかけるも小さく声を漏らして顔を背けてしまった
仕方無い、Aに謝ってから電話に出る
Aは今熱を出してるから落ち着いたら折り返し電話する、そう伝えようと言葉にする前に電話口の松田が言葉を発した
『もしもし、A?昨日はありがとな』
松田の言葉に自身が伝えようとした言葉を呑み込む
昨日...?
『Aの看病のおかげで熱も下がった。色々迷惑かけてごめんな』
看病...熱...そういう事か。一人推理をし納得する
昨日の今日なら移った可能性もある
何となく状況を察した自分はあちらに体を向けているAに視線を寄越した
『...A?』
黙っている僕を、いや、Aを不審に思ったのか聞き返してくる声に、凍てついた声で告げた
「...僕だが」
『__え、降谷?何で...』
何かを言われる前に強引に通話終了し、電源を落とす
「...男の家に一人で上がるなって言った筈だけどな」
Aの頭を一撫でしてから部屋を出る
熱が下がったら説教だな
366人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
リンドウ - 月下美人さん» ここまで読んで下さりありがとうございます!何とか無事にハッピーエンドで終える事が出来ました!笑 ありがとうございました!! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - あめ、さん» ありがとうございますー!!こじれた恋愛ついに完結致しました!おコメントも励みになりました、本当にありがとうございました! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - ハッピーエンド完結おめでとうございます&お疲れ様です!! (2019年6月6日 1時) (レス) id: 9aa06677e2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ、(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてました。ついに結婚……!これからもどうかお幸せに、ですね!お疲れ様でした〜。 (2019年6月6日 1時) (レス) id: 112aeeb1e8 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - コーヒー牛乳さん» 本当ですか!ありがとうございます!!この作品で降谷さんと松田さんをもっと好きになって頂けるとは...!!喜びの極みです笑 これからも更新頑張ります (2019年5月19日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:リンドウ | 作成日時:2019年4月2日 5時