6’ベリーソースワッフル ページ6
心配そうに顔を覗き込む兄...じゃなかった、安室さん
触れられたおでこが異常に熱い
バクバクと脈打つ心拍が周りにも聞こえそうな程煩い
「住所は何処辺りですか?」
『え?』
「熱が上がったま帰宅するのは困難でしょうし、良ければ自宅付近までお送りしますよ」
ね、と言って手を握られる
痛いよお兄ちゃん。「早く帰るぞ」って顔に書いてるもん
それに世良ちゃんは安室さん怪しんでるし、コナン君なんて白けた目を向けている
『でもお仕事の方は...』
「ああ、この時間帯からお客様は減り始めますし、マスターにこの間頂いた半休使えば済む話です」
見事に論破され優しく立ち上がらせられた
「A、折角だし送って貰いなさいよ!!」
「安室さんに送って貰えるなら安心だね」
最早園子ちゃんと蘭ちゃんは帰らせる気満々である。帰らない訳にはいかなくなってしまった
四人に別れを告げて、正直限界だった体がポアロを出た瞬間悲鳴を上げる
「我慢し過ぎだ、早く帰るぞ」
既に半休を得たらしい兄が隣に並ぶ
半休って言っても、もう半日も無いんだけどな
兄が助手席のドアを引いて私が乗り込む
ふと感じた違和感
__兄はつけない、香水の香りがする
隣でシートベルトを締め、エンジンをかけたにも関わらず車を降りた
「A?」
兄の驚きと心配の混じる声
『...やっぱり歩いて帰るね』
顔も見ずにドアを閉めた
カツカツとローファーが地に響く
__やだな、兄が女の人乗せてたかもなんて勝手に嫉妬するなんて
お兄ちゃんだって、彼女いるかもしれないじゃん
...こんな自分が一番嫌だ
「A!!」
聞こえた私の名前を呼ぶ声、追い掛けて来る姿、焦った表情
全部、独り占めしたいの
そんなの妹だから叶わないの
「何してるんだ!車に戻るぞ」
『...嫌』
「え?」
熱に当てられて不安定になる情緒
いっそこのまま我が儘をぶつけて困らせてしまいたい
『...一緒にいるとこ見られたら大変でしょ?お兄ちゃんに迷惑かけたくない』
本心ではあるものの言いたい事とは違う
__別に言葉にしたって意味の無い事だ
「本気で言ってるのか」
『え、』
青い瞳が私の瞳を捉えた瞬間浮いた体
兄に抱えられたまま車に戻ってくる
助手席に連れ戻された時、強引に視線を合わせてきて口を開いた
「周りの視線も、どう思われようとも痛くも痒くもない
__Aのためなら」
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リンドウ - 月下美人さん» ここまで読んで下さりありがとうございます!何とか無事にハッピーエンドで終える事が出来ました!笑 ありがとうございました!! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - あめ、さん» ありがとうございますー!!こじれた恋愛ついに完結致しました!おコメントも励みになりました、本当にありがとうございました! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - ハッピーエンド完結おめでとうございます&お疲れ様です!! (2019年6月6日 1時) (レス) id: 9aa06677e2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ、(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてました。ついに結婚……!これからもどうかお幸せに、ですね!お疲れ様でした〜。 (2019年6月6日 1時) (レス) id: 112aeeb1e8 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - コーヒー牛乳さん» 本当ですか!ありがとうございます!!この作品で降谷さんと松田さんをもっと好きになって頂けるとは...!!喜びの極みです笑 これからも更新頑張ります (2019年5月19日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年4月2日 5時