21’木苺シュークリーム ページ21
遠感覚に羅列する街灯
冬の時期とあらば早々に光が灯るのも自然だろう
対して遅くない18時前の街灯の下を過ぎながら帰路につく
来週は委員会活動、クラスマッチ、ミニマムエッセンステスト
やる事山積みスケジュールに軽く肩を竦め、マフラーをしっかり巻き直す
かじかんだ指先を温めようと顔の前ですり合わせた時
「__よっ。今帰りだろ?」
『...あ、__』
片手を上げ、街灯に持たれ掛かる彼
『__松田さん。どうしたんですか?こんな所で...』
「仕事今日はもう上がりだったし、偶然近くに寄ったから...Aに会いに来た」
『へ...』
顔に集まる羞恥
きっと今、かじかんだ指先より赤い
...そんな風に言われたら、意識してしまう
__思い出してしまう
松田さんに「好き」と言われた日の事
「帰り、家まで送ってく」
『あ...いえ、そんな...悪いですよ』
遠慮がちに手を振れば、その手を掴まれた
「あーあ、こんなに冷えちまって。これで温めとけ」
そう言って掴まれた手を松田さんのポケットの中に納められる
ポケットの上から松田さんの手が重なった
「...それに俺が送りたいだけだから。気にすんな」
そんな言葉でさえ余裕そうに、躊躇いなく出てくるものだから逆にこっちが恥ずかしさ倍増だ
松田さんのコートのポケットに片手を入れたまま家路を歩く
何だか不思議な感じ
恥ずかしさ、温もり、片方の冷えた手
切なさ、虚無、片方の温められた手
色んな感情が交じり混ざって、ただひたすらに松田さんの隣を歩く
...すると、ある一角を過ぎる前に松田さんが立ち止まった
「A、再来週の日曜日空いてる?」
『再来週の日曜日...今の所は空いてると思います』
何も無かった筈だと自分に再確認してからその姿を見上げれば、松田さんもまた私を見ていた
「その日、俺非番なんだけどさ。
__Aさえ良ければ、その日俺にくれないか」
ぇ、と小さく漏らした言葉はどんよりした雪雲に吸い込まれていく
「何処か行かないか?...__二人で」
二人、で...
真剣に見つめる視線が
それでも僅かに揺れる瞳が
...__私に決断を渡される
__どうしても、よぎってしまうのは
兄の姿で、
『...是非』
お願いします、そう言って笑顔を浮かべる
私の判断が傷付ける事に成りうるのか
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リンドウ - 月下美人さん» ここまで読んで下さりありがとうございます!何とか無事にハッピーエンドで終える事が出来ました!笑 ありがとうございました!! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - あめ、さん» ありがとうございますー!!こじれた恋愛ついに完結致しました!おコメントも励みになりました、本当にありがとうございました! (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - ハッピーエンド完結おめでとうございます&お疲れ様です!! (2019年6月6日 1時) (レス) id: 9aa06677e2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ、(プロフ) - 完結おめでとうございます!いつも楽しく読ませていただいてました。ついに結婚……!これからもどうかお幸せに、ですね!お疲れ様でした〜。 (2019年6月6日 1時) (レス) id: 112aeeb1e8 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - コーヒー牛乳さん» 本当ですか!ありがとうございます!!この作品で降谷さんと松田さんをもっと好きになって頂けるとは...!!喜びの極みです笑 これからも更新頑張ります (2019年5月19日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:リンドウ | 作成日時:2019年4月2日 5時