20’グラニテ ページ20
『＿＿ただいま』
沖矢さんに料理教わって、晩ご飯まで頂いてたらすっかり遅くなっちゃったなぁと考えながら靴を脱ぐ
床から伝わる寒さに、暖房つけなきゃと謎の使命感に駆られリビングの扉を開いた＿＿
「...お帰りA」
ゆっくりとクリアになる視界
幻覚を見てるのかと思った
『お...兄ちゃん？』
二週間振りの兄
家には帰ってきていたらしい痕跡はあったものの、間接的に会えない状態が続いていた
『た、ただいま』
帰って来てたんだ...
...何処となく気まずくて顔が見れない
だって、会ったのもしゃべったのも
＿＿告白して否定された以来
「帰り遅かったな」
兄がソファに身を沈めたまま顔はしっかりこちらに向けていた
『えっと...友達とご飯、食べに行ってて』
「そうか。でも帰ったら居なくて心配したからそういう事なら連絡してくれ」
『うん。...ごめんなさい』
沖矢さんとご飯食べてた、なんて言ったら絶対説教始まっちゃう
それに帰って来てないだろうと見越して連絡しなかったからなあ
「...A。この間の、話なんだけど」
途端に兄が溢した言葉に胸騒ぎがする
＿＿もしかして、あの日私が告白した事？
...やだ、言わないで。
「俺は＿＿」
『お、お兄ちゃん！！』
やや強引に遮り話を止める
今度は私が口を開いた
『前、熱出した時の看病ありがとう』
「...ああ」
流石に本題を切り出すには勇気がいる為ワンクッション置く
『＿＿私熱あった時、お兄ちゃんに何か言ってた？』
「...」
私の質問に気まずそうに視線を落とした兄はやっぱり優しいと思う
...そんな兄の優しさに甘えてた私を今日限りで卒業するよ
『もしかしたらあの日、何か変な事口走ってたかもしれないからさ、
＿＿あの時の事は忘れて』
...＿＿無かった事にしてほしい
お兄ちゃんと気まずいなんて嫌だよ
「...分かった」
行き場の無い視線を漂わせた後、視線を合わせて頷いた兄に『ありがとう』と小さく返した
『私、お風呂入って来るね！』
「...ゆっくりでいいからな」
何処までも優しい兄に笑顔を向けてから自分の部屋の扉を閉めた
『...っ、』
お兄ちゃん、好きだよ
...分かったなんて言わないで
＿＿無かった事にさせないで
巻いたままのマフラーに涙の痕を作っていく
今日限りで、樹を切り倒した
...＿＿恋の果実はもう実らない
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リンドウ - 月下美人さん» ここまで読んで下さりありがとうございます！何とか無事にハッピーエンドで終える事が出来ました！笑 ありがとうございました！！ (2019年6月6日 7時) (
レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - あめ、さん» ありがとうございますー！！こじれた恋愛ついに完結致しました！おコメントも励みになりました、本当にありがとうございました！ (2019年6月6日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
月下美人(プロフ) - ハッピーエンド完結おめでとうございます&お疲れ様です！！ (2019年6月6日 1時) (レス) id: 9aa06677e2 (このIDを非表示/違反報告)
あめ、(プロフ) - 完結おめでとうございます！いつも楽しく読ませていただいてました。ついに結婚……！これからもどうかお幸せに、ですね！お疲れ様でした〜。 (2019年6月6日 1時) (レス) id: 112aeeb1e8 (このIDを非表示/違反報告)
リンドウ - コーヒー牛乳さん» 本当ですか！ありがとうございます！！この作品で降谷さんと松田さんをもっと好きになって頂けるとは...！！喜びの極みです笑 これからも更新頑張ります (2019年5月19日 7時) (レス) id: 8527558b0b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：リンドウ | 作成日時：2019年4月2日 5時
