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 - 22 : mm ページ34

誘われるがまま膝に頭を乗せて、康二に向かって手を伸ばす。

俺の手を取って、

「安心せん? 後は任しとき」

俺、康二のこの、甘やかすモードの笑顔を見ると苦しくなる。

このグループでは子犬みたいに甘えん坊って立ち位置だけど、加入前…関西にいた時は、必死になって周りを引っ張る側を経験してきた大人の顔。

俺の知らない康二を突きつけられてるようで、でもどうしようもなく惹かれる自分がいて、苦しいのに目が離せない。

「ここ、暗いですか? ちゃんと写ります?」

「レフ板で調整できます。膝枕いいじゃないですか」

「えへへ、エモいでしょ」

康二がカメラマンさんとコミュニケーション取りながら上手に俺をリードして、撮影はなんとか無事に終わった。

見上げていた目に篭った熱が、写真に残っていなければいいけど。






スタッフさんたちに挨拶して、康二と廊下に出る。

「なぁ、なんか心配事でもあったん…?」

撮影が終わってから一言も話さない俺の背中に手を当てて、康二が後ろから遠慮がちに覗き込む。

こういう優しいフォローにすら、どうやったって縮まらない歳の差を感じて悔しく思う。

見上げる顔は、本気で心配してるのに。

ごめん、もう胸の内に隠すのも限界だから、康二を巻き込むことにした。

「今日、康二の家に連れて帰って」

「どうしたん、急に」

「康二の家のソファがいい」

「うちのソファでって…、」

『ソファ』という単語に佐久間くんと阿部ちゃんの撮影を思い出して、じわじわ赤くなる康二。

「佐久間くんたちみたいにしたら、康二逃げられないよね」

その想像で合ってるから、って念押しするように、背中から滑り落ちた康二の手を受け止めて握る。

見上げた世界が俺だけでいっぱいになれば良い。

みんなに愛される康二を独り占め出来るのは俺だけだって、確認させて。

「今日はOK以外の返事は聞かないから」

「ちょっ、なぁ、めめ…っ」

本当は今ここで、せめて腕の中に閉じ込めたい。

どうしようもない衝動を飲み込むように、強引に手を引いて控え室までの道のりを急いだ。

 - 23 : iw→← - 21 : mm



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すず(プロフ) - みなさん» コメントありがとうございます!初めて頂いたコメントに嬉しい言葉がたくさん並んでいて、どきどきしています…。また覗いてくださると嬉しいです^^ (2022年10月10日 8時) (レス) id: 042e012db9 (このIDを非表示/違反報告)
みな(プロフ) - いきなりコメント失礼します。いつもキュンキュンしながら読ませていただいています。完結おめでとうございます。すずさんの作品大好きです。 (2022年10月9日 16時) (レス) @page48 id: 2fd29c3102 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:すず | 作成日時:2022年9月4日 11時

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