Maybe.Ⅲ (ページ9)

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「ありがとう。あと、家族って病棟の外にいるよね？先に説明して来た方がいいかも。多分、処置に時間取っちゃうから」

「わ、わかった……頼む……」

「うん、任せて」

　しょっぴーは研修医を引き連れて出て行こうとした。

「あ、ちょっと待って。研修医はどっちか見たい方を選ぼう」

　深澤先生は研修医たちを引き止めた。

「翔太は今から患者さんの家族にICをしに行く。整形でこんなに緊急なオペの上、ショックバイタルのことを話すのはなかなか機会もないし、家族の反応とかを見てフォローをしないといけない、とても大切なものだ。でも、こっちのショックの対応も見たことなかったり、知らなかったりするなら見た方がいいと思う。ただ、失敗できないから俺らがやっちゃうし、見学だけになっちゃうけど。どうする？」

　こ、こんな時なのにそんなことまで配慮できるの？この人……スゲェな……。

「ぼ、僕……ショックの対応を見せていただきたいです！」

「僕も！」

　3人中、2人はショック状態の対応を選択した。残りの1人は目黒と呼ばれていた研修医だ。

「……僕は渡辺先生のICを見学しますね。人数が多くても、邪魔なだけですし」

「目黒……」
　
　