6月の花嫁

15日目 ページ15

19時



ユンギに言われた通りの時間に傘を差して家の前に出ると珍しくユンギの方が先に来ていて、フードを被り寒そうに両手をポケットに入れているユンギを見て急いで駆け寄った





「ユンギっ！」


「…おせぇ」


「うわっ」





こんな雨の日に傘も差さずに何やってるの！？と言いながらユンギの元に駆け寄るといきなり手首を掴まれ思いっきり前のめりになった



倒れる！と思ったけど目の前のユンギが私を抱きしめていて倒れるまでには至らなかった





「…さみぃ」





そりゃあ雨降る中防寒もしないでいたら寒いに決まってる



どれだけここで待っていたのか分からないがそれでも私を抱きしめるユンギの体温は大分下がっているみたいで二の腕を掴んでいる手は相当冷たい



暖をとるだけのために私を抱きしめているのは丸わかりなのだが、それでも久しぶりに感じるユンギをひっそりと堪能しているとバッといきなり体を引き離された



どうしたものかとユンギを見ると少しバツの悪そうな顔をしたユンギがいた





「…俺ら別れたんだったな」


「あ…」




あまりにも自然にカップルっぽいことをしていて頭からいなくなっていたがユンギの言う通り私たちはこの間カップルという関係を解消したんだった



私から解消したはずなのにユンギの口から別れただなんて聞くとどうしても胸が痛む



そのことに触れずに取り敢えず家の中に入ってもらうよう言うと少し躊躇いながらも私の後をついてきた



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