6月の花嫁

14日目 ページ14

一人悶々としながらユンギを盗み見しているとブーっと机の上に置いておいたケータイが騒がしく静かな教室に鳴り響き固まる



こんな大きな存在感のある音にユンギが気づかないはずもなくゆっくりとこっちを向くユンギに合わせる顔なんてないわ！と急いで寝たフリをしようと顔を下げた




ドッドッドッドッ




ありえないくらい速い鼓動がいきなり鳴ったケータイからによるものなのかそれともユンギに気づかれたからなのか分からないが取り敢えずやめてぇえ！なんて思いながら必死に寝たフリをしていると足音がこちらに向かってくるのが分かった



…ユンギだ




彼しかいないこの教室で足音が聞こえるとしたらそれは紛れもなくユンギのものでしかなくて



近づいてくる足音にギュッと目を瞑ればカタンと前で音が鳴った



多分その音はユンギが私の前の席に座ったという音で



私の鼓動の速度はMAXになっていた





「…19時にお前ん家の前に行くから絶対出て来いよ」


「…」





そう一言残してそそくさと教室を出て行ってしまったユンギ



授業にも出ないで何だったんだなんて思うけどきっと私にこのことを言うためだけに早く来たんだろうなと思う



だってよくよく考えればこの授業をユンギは取っていなくて



そう思えば私のことを珍しく考えてくれていたんだという想いと一体19時に私の家の前に来て何を話すのだろうかという想いがごちゃまぜになって一日中上の空だったってことは言うまでもないと思う




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