○21話● ページ21
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大野さんの職業を知ってから
ネットでそれらしきイラストレーターがいないか調べて見たけれど
検索結果は、まさかのゼロ。
智「だって俺、本名でやってねーもん」
次に会った時それを報告したら
勝ち誇った顔で、そう言われた。
智「残念でした」
A「くっ…なんか悔しい…」
智「ふはっ」
100年はえーよって笑う彼は
いつも余裕そうだから…負けた気分になる。
落ち着いてるのに、子供っぽい。
年齢が全く予想できない。
A「大野さんって、年齢不詳ですよね」
智「え?そう?」
A「何歳なんですか?」
智「何歳に見える?」
A「うう〜ん…」
年下って言われても納得できるし
年上って言われても納得できると思う。
でも、私とそんな変わらないかな?
A「…26くらい?」
智「マジか。でもちょい惜しい」
A「違いました?」
智「最近、30になりました」
A「…え?」
智「え?(笑)」
A「30ですか?本当に?」
智「そう。ふふっ」
世界にこんな若い30歳いるんだ。
衝撃的。日本コワイ。
そっかぁ〜俺26歳かぁ〜って嬉しそうにしてる彼は
やっぱり30代には見えなかった。
智「でも正直、実感ないよね。もう30っていう」
A「だって見えないですもん」
智「ふふ。なんも変われてないからね」
A「そうなんですか?」
智「うん。歳だけとってくの。こえーね、人間って」
“何も変われてない”
そういう大野さんは、どこか少し寂しげで。
時々見せる、その表情の奥には
どんな意味があるのか、わからない。
けど、多分
それは私が知るべきものではない気がする。
智「ちなみにAはいくつだっけ」
A「…気軽に女性に年齢聞いちゃダメですよ(笑)」
智「あ。ゴメン(笑)」
A「大丈夫です。25歳です」
智「そーだそーだ」
A「…アレ?私、前に言ったことありましたっけ?」
智「ん?うん、言ってたよ」
A「そう、ですか」
やばい、忘れてた。
最近、物忘れ酷くなってきてる気がする。
やだなぁって思ってると
大野さんがそんな私を見ながら口を開く。
智「Aはちょっと上に見えるよね」
A「え!老けてます?」
智「や、そうじゃなくて。大人っぽい」
そんなこと言われたの初めてで
単純な私は、頰がポッと赤くなる。
やっぱり大野さんの方が一枚上手かも。
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爽歌。(プロフ) - ぐちこさん» ぐちこさん、コメント有難うございます(*^^*) とっても嬉しいです…(TT)!先の章でお待ちしております☆ (2018年3月30日 17時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
ぐちこ(プロフ) - はじめまして!遅ればせながら読ませていただいています♪2章も楽しみです☆(*^^*) (2018年3月29日 16時) (レス) id: d58eef616e (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - なるちゃんさん» コメントありがとうございます(*^ω^*) おもしろいと言っていただけて嬉しいです(/ _ ; ) 更新頑張りますね☆ (2018年2月24日 22時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
なるちゃん(プロフ) - うーん、おもしろい! 最近智くんにハマってます! 続き楽しみ〜〜! (2018年2月21日 22時) (レス) id: a1fe1fb9b8 (このIDを非表示/違反報告)
爽歌。(プロフ) - ろーるけーきさん» ろーるけーきさん!美味しそうな名前!はじめまして(*^^*)コメントありがとうございます♪ 前作からっ!?嬉しいです(TT) フフフ…もう少しだけ焦らさせていただきます(´∀`)(笑) 更新頑張りますね!! (2018年2月21日 11時) (レス) id: 1b1d416676 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:爽歌。 | 作成日時:2018年2月9日 16時