すのーがーる！３

最年長の回想 ページ8

〈深澤side〉

『ごめんね、ふっか、あたしのせいで。』



今までAが何度その言葉を俺に掛けてきたのだろう。



あたしのせいで、というのはつまり



“あたしがSnow Manにいるせいで”、ということ。



その言葉を聞くたびに俺もかなり胸が締め付けられる思いがして。



そんな中でも、康二、目黒、ラウールの3人が加入することが決まった時。



『ごめんね、っごめん…っ、本当にごめんねみんな、あたしのせいで、』



って、Aが泣きながら俺らに謝ってきて。



何が何だかわからないまま話を聞くと、



“きっとAがいなかったらSnow Manは3人を加入させることもなく、とうの昔にデビュー出来てたんだろうな。”



と社員の人が階段の踊り場で会話をしているところを偶然聞いてしまったようで。



昔から、自分が唯一女であることに後ろめたさを感じていたAにとって、それがどれだけ辛かった言葉だったのかは計り知れない。



ごめん、あたしのせいで、と何度も譫言のように繰り返すAは多分もう、崩れる寸前だった。



「………」



そんなAを見て、怒りが急に湧いてきた俺。



なんでAがそんなこと言われなきゃいけねぇんだ、ふざけんな、って。



もうそこからは勝手に体が動いてた。



無言で立ち上がって部屋を出て社員さんがいるかも分からないのに、階段に向かって。



“まぁ結局はAを入れたのが間違いだったんじゃない？(笑)”



なんて声が聞こえてきて。



ああ、こいつらか、Aを傷つけたのは、って。



「………あの、」



まさか俺が登場するとは思っていなかったらしく、驚いた表情の社員。



「………Aは俺にとって…いや。グループにとって、かけがえのない、大事な存在なんです。だから、そんなAを傷つけるようなことを言わないで下さい。Aをもう苦しめないであげてくださいっ…」



どうしてか分からないけど、頭を下げながら涙が出てきて。



しばらくして頭を上げた時には社員たちはいなくなっていて。



岩本「ふっか、」



その代わりに照がそこにいた。



「ははっ…だっせぇ…Aのこと全然守れてねえじゃん、俺が守るって、嫌な思いさせないって決めてたのにさ、」



岩本「そんなことねぇよ、」



泣いてる俺の肩を組んでくれた照の力強さにまた一層泣けて来たんだよね、その時。

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