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目 「はい。温かいココアでいい？」
あ 「ありがとうございます！」
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二人ベンチに座って小休憩。
目黒さんはわざわざ気を遣って飲み物まで買って来てくれた。
優しい人だなぁ、なんて思った。
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目 「ふは、顔死んでんじゃん。大丈夫？」
あ 「大丈夫で…って！ちょっと笑いすぎですから」
目 「なんか面白くて」
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ふと隣を見ると私の顔を指差して腹を抱えて笑う彼。
確かにアトラクション乗りまくって、絶頂に気持ち悪い今、顔は死んでるよ？
けど、そこまで笑う？
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目 「ごめんごめん」
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やっぱりさっきの優しい人って思ったのは撤回。
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あ 「大丈夫なんですか？」
目 「…大丈夫って？」
あ 「ジャニーズの方が遊園地なんて。もし…バレたりしたら」
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今日までずっと気がかりだったんだ。
なんかあったら私達じゃどうすることも出来ないし。
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目 「ま、大丈夫っしょ」
あ 「そんな軽いんですね」
目 「俺が来たくて来たんだし…
それになんかスリルがあって楽しいじゃん？」
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そう言って、カップに口をつけた彼は何とも軽いもので。
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『スリルがあって楽しい』
なんだ、それ！
そんなこと阿部さんだったら絶対言わなそう。
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って、阿部さんは関係ない、か…
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目 「そういえばさ、今大学生？」
あ 「あ、はい！そうです！大３です」
目 「そっか。じゃあ今一番楽しい時だ」
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うーん。
別にそういう訳でもない、んだよなぁ。
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目 「なんかそうでもないって顔してるね」
あ 「え…私、そんな顔してました？」
目 「うん。してた」
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目黒さんがふははって笑う。
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あ 「勉強が苦手であんまり好きじゃな、くて。進みも早いのでついていくのに必死で」
目 「分かるわ〜俺も勉強嫌い」
あ 「え、そうなんですか？」
目 「うん。俺、バカだもん」
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なんだ。目黒さんと共通してるところなんてあるんだ。
勉強が嫌いだなんて、阿部さんとは正反対。
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あ 「ふふ。自分でバカって言っちゃうんですね」
目 「これマジだから」
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ちょっと緊張してたけど、自然と笑顔になれた。
目黒さん最初は少し怖い印象だったけど、話してみたら凄くいい人、じゃない。
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作者名：くろーばー。
| 作成日時：2020年9月10日 20時
