シュガー＆ソルト【佐久間】

． ページ18

「どこから見ます？」
「んーと、とりあえずここ見たい」
「じゃあ行きましょう」




終始ニコニコ笑顔の先輩は、ショッピングモールに入って近くのアクセサリーショップに行きたいと向かっていく。
深澤さんと私はあんまり話したことないからどんな感じのものが好きなのかはわからないからアドバイス出来ないだろうけど、ほんとに私でよかったのかな。
悩んでいれば、「これ似合いそう！」と手に取ったアクセサリーを私の耳元に当ててきた先輩。




「…ん？」
「Aちゃんに！」
「私じゃなくて深澤さんの選ぶんでしょう…？」
「にひ、そーね！でもAちゃんもこういうシンプルなのも似合うだろうけど、キラキラしたのも華やかでいいよねぇ」
「先輩…？」




なんだか私に似合うものを探し始めている先輩。
なんで？深澤さんの選びに来たんでしょうよ。
先輩を置いておいて、メンズ用のアクセサリーコーナーを見始める。
私が見たところでどれか似合うかわからないけど、こういうシンプルなフープピアスは付けやすくていいんじゃないかな。




「先輩、こういうのはどうですか」
「んー？ふっかに？」
「深澤さんに」
「んー…好きそうだけど、だめ」
「ええ、だめなんですか」
「だめ。Aちゃんが選んだの付けれるなんてずるすぎるからだめ」
「えぇー…」




どんな理由よそれ。
「ふっかは確かにフープピアス似合うと思うからフープ系にしたいけど、それは却下です」と取り上げられてしまった。
私が来た意味は一体何処へ、と思ったけどよくよく考えてみたら半ば強制デートだったことを思い出す。
なんでもいいか、深澤さんに渡すプレゼントが見つかればそれで。




「これ良さそう！」
「深澤さんに？」
「Aちゃんに！」
「ちょっと落ち着いてください」




とりあえず、深澤さん≦私なのどうにかしてくれないかな。

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