家事、お引き受けいたします。【青】

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「渡辺さん･･･」




渡「はぁ･･･よかった･･･心配させんなよ。」








渡辺さんは走ってきたのか、肩で息をしている。







「なんで･･･」




渡「あ、これ？」








渡辺さんは自分の着ているスーツを指さした。









渡「面接行ってきた。」




「･･･え？」




渡「今まで本当にごめん。迷惑ばっかかけて。

俺さ、ちゃんと就活するわ。
絶対仕事見つけるから、待ってて。」









渡辺さんはそう言って微笑んだ。




それと同時に私の中で何かが緩んで、涙が出てきた。








渡「泣くなよ。」




「だって･･･嬉しくて。」




渡「うれし涙は仕事が見つかってからにして。」




「ふふっ。そうですね。」







笑いながら泣いた。号泣した。




泣いている間、渡辺さんは私の背中をさすってくれていた。




優しく微笑みながら。




久しぶりに見た笑顔。すごく愛おしい。









渡「明日には退院できるんだって？」




「はい。そうみたいです。」




渡「そっか。良かった。」




「私がいない間、家のこと･･･大丈夫でしたか？」




渡「あー･･･大丈夫じゃねぇ。」




「えぇ？(笑)」




渡「就活は自分でなんとかできるかもしれないけど、家事はやっぱりAちゃんがいないと無理だわ。」




「じゃあまた明日から家行きますね。」




渡「お願いします。」








良かった。私はまだ必要とされていた。




まだ渡辺さんと一緒にいられるんだ。




一緒にいられる･･･？




そこに喜びを感じている自分に気づいてしまった。




渡辺さんの笑っている顔が見たい。




隣にいたい。









――――それってもしや、恋じゃない？

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