020 ページ21
.
もう終わった頃かな。
時刻は17：50。
今日は午後からの面接のはず。
最後だったし、今日の夜ご飯は渡辺さんの好きなもの作ってあげようかな。
そんなことを考えながら、渡辺さんの家に向かった。
家についた時、渡辺さんはまだ帰ってきてなくて部屋は暗かった。
こんなことも最近では当たり前になっている。
洗濯機を回し、簡単に掃除機をかけて、買ってきた材料で夕飯の準備を始めた。
だけど、作り終わっても渡辺さんは帰ってこなかった。
今日も遅くなるのかな。
そう思って、作った夕飯にラップをかけて冷蔵庫にしまった。
「帰ろ。」
21時を過ぎたマンションを歩くと、仕事終わりのサラリーマンやOLとすれ違う。
そこに渡辺さんの姿を探すけど、まぁ、いるはずもなく。
自宅に向け、暗い夜道を歩いていた時だった。
『ねぇ翔太ぁ〜！』
『んだよ、まだ飲みたいの？』
そんな会話をしている男女ふたりが前から歩いてきた。
女の人はポケットに手を突っ込んでいる男の人の腕に自分のを絡ませ、フラフラしている。
｢渡辺さん……。｣
あちら側も私に気づいたのか、険しい顔をしている。
なんで。なんで私服でこんなところにいるの。
嫌な予感しかしない。
｢なに……してたんですか……｣
渡｢いや……｣
｢面接は…？｣
『翔太ぁー。だれー？この人。』
｢面接……行ってないんですか……？｣
渡｢あー……｣
『なに、面接ってー。翔太は今日ずっと私といたんだよー？
ねー？翔太？』
渡｢ちょっとお前黙ってろ。｣
｢なるほど…そういうことだったんですね。｣
あぁ。全て繋がってしまった。
もうここにいたくなくて、走ってその場を立ち去った。
渡辺さんがなんか言ってるけど、それに応えられるほど余裕なんてない。
走りながら流した涙は、誰にも気づかれることなく地面に落ちた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 2718人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ひなの(プロフ) - 苺さん» 初めまして！コメントありがとうございます！私の作品が苺さんの普段の生活に入り込んでるってことですか！(違う)でも、楽しんでいただけたのなら私もすごく嬉しいです。これからもよろしくお願いします！ (2021年3月17日 22時) (
レス) id: f82fe0a2e0 (このIDを非表示/違反報告)
ひなの(プロフ) - しょくぱんさん» 初めまして！コメントありがとうございます！主人公の性格のちょっと男っぽいところ、私も好きです笑 え！次の人誰かわかりました！？すごい！答え合わせを楽しみにしててくださいね〜！これからもよろしくお願いします！ (2021年3月17日 22時) (レス) id: f82fe0a2e0 (このIDを非表示/違反報告)
苺(プロフ) - 初めまして！一気読みしました。リアルですごく世界観に溶け込めやすく、番組や雑誌などで渡辺さんを見るとお話を思い出してはニヤニヤと余韻に浸ってます笑 それくらい楽しませて頂きました！シリーズ化嬉しいです。楽しみが増えました！これからも応援しています！ (2021年3月17日 20時) (レス) id: 37efc71d63 (このIDを非表示/違反報告)
しょくぱん(プロフ) - 初めまして、そして完結おめでとうございます！いつも楽しく読ませて頂いてました。主人公の柔らかくて可愛らしいけどガッツのある所が好きです。シリーズ化との事で今後も楽しみにしています。次回は誰かわかりました(^^) (2021年3月17日 20時) (レス) id: f753d6e40c (このIDを非表示/違反報告)
かの(プロフ) - いえいえ全然！！むしろすみませんです！笑 (2021年3月16日 18時) (レス) id: 4cab7e8fd4 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ひなの
| 作成日時：2021年3月1日 21時
