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苺｢じゃあまあそんな感じで！
関東大会に向けてオフ明けから頑張ろ！｣
県大会は幕を閉じ、今日の反省も終わった。
だから苺花先輩たちと一緒に帰ろうと
出口に向かって歩いていると
誰かに腕を掴まれた。
岩｢ごめん、話ある。｣
｢は、はい…｣
苺｢邪魔者は先帰るわ！
照、頑張れよっ！｣
苺花先輩たちはニヤニヤしながら
そのまま出口へ行ってしまった。
私は、岩本先輩に腕を掴まれたまま。
｢い、岩本先輩……？｣
岩｢ちょっと…向こう行こ。｣
｢……分かりました。｣
私たちは人気のない階段を見つけ、
そこに2人並んで座った。
岩｢……リレー、よかった。｣
｢ありがとうございます…
岩本先輩も…かっこよ……いや、その…｣
かっこよかった、と言うのが
急に恥ずかしくなって誤魔化したけど
そこまで言ってしまって誤魔化せるはずなくて
むしろもっと恥ずかしくなってしまった。
岩｢かっこ…よかった…？｣
｢えーっと………はい…｣
岩｢さんきゅ……めっちゃ嬉しいわ…｣
｢でも、ほら…岩本先輩は
言われ慣れてるじゃないですか……？｣
どうにか私の｢かっこいい｣の意味を
軽くしようと試みたけど、
なんか嫌味みたいになってしまって
激しく後悔した。
岩｢慣れてねーよ……｣
｢嘘ですよ！いろんな会場で……｣
岩｢好きな奴にかっこいいって言われるのは
初めてなんだよ。｣
｢……え……？｣
今…好きな奴って言った……？
え、これは幻聴じゃないよね…？
岩｢吉田…じゃなくて…A。｣
｢……はい｣
岩｢お前のことが好きだ。｣
頭が真っ白になった。
現実なのか夢なのか分からない。
｢岩本先輩が…私を…？｣
岩｢…うん。｣
｢夢…？｣
岩｢なわけねーだろ…｣
｢嘘……………｣
まさか本当にこんなことになるなんて
嬉しすぎて涙が出そう。
大好きな岩本先輩が、
私のことを好きと言ってくれた。
私、今、本当に幸せ。
岩｢俺と、付き合ってくれる……？｣
｢……もちろんです。｣
こうして、私の憧れの人は
私の彼氏となった。
出会った頃の私に伝えてあげたい。
その人は怖くなんかないよ。
誰よりもかっこよくて、誰よりも優しい
世界で一番素敵な人だよ。って。
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作者名：ひなの
| 作成日時：2021年7月22日 21時
